大統領選50日前に仮想通貨事業「World Liberty Financial」を発表、ロシアのハッカー関与疑惑で物議
ドナルド・トランプ前大統領は13日、自身のXアカウントにて、来る9月17日(日本時間)に新しい仮想通貨ベンチャー「World Liberty Financial」をローンチすることを発表した。 トランプ氏は、「我々は、仮想通貨とともに未来を受け入れ、時代遅れの大銀行を過去のものとする」と述べ、仮想通貨事業への意欲を示した。
9月16日午後8時に、Twitterスペースで「World Liberty Financial」のローンチをライブで配信する。我々は仮想通貨とともに未来を受け入れ、遅くて時代遅れの大手銀行を置き去りにする。ドナルド・トランプがマール・ア・ラーゴ邸から「仮想通貨の現状と展望に関する重要演説」をライブで行う。
Telegram(テレグラム)でも「World Liberty Financial」がライブ配信を告知しており、「金融を再び偉大にする」計画を披露するとしている。

大発表!9月16日午後8時に、マール・ア・ラーゴから他ならぬドナルド・J・トランプ氏と共にライブ配信することを非常に嬉しく思う。私たちの「金融を再び偉大にする」計画を披露する準備は整っている。これは見逃せない歴史的なイベントだ。
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この発表は、11月の大統領選挙まで50日を切るタイミングで行われ、選挙キャンペーン中に個人事業を宣伝する異例の動きとして注目を集めている。トランプ氏は、大統領在任中はビットコインなどの仮想通貨に対して反対の姿勢を示していたが、現在は擁護に転じている。
World Liberty Financialは、トランプ氏の息子であるドナルド・ジュニアとエリック・トランプが推進する仮想通貨プラットフォームだ。「仮想通貨とアメリカを再び偉大にする」とのスローガンを掲げ、ステーブルコインとDeFi(分散型金融)の大規模な普及を目指している。
具体的な事業内容は以下のとおり:
- 米ドルペッグのステーブルコインの普及
- Aaveとの提携によるステーブルコイン普及のためのツールやインフラストラクチャの開発
- 分散型金融(DeFi)サービスの開発
しかし、仮想通貨情報サイト「CryptoSlate」によると、World Liberty Financialは、いくつかの懸念点が指摘されている。
- トークン配分の不透明性:トークンセールで約810億円を調達する計画だが、70%が内部関係者に割り当てられる予定で、透明性と公平性が疑問視されている。
- Dough Financeとの関連性:World Liberty Financialが、今年初めにハッキングされたDeFiプロトコル「Dough Finance」との関連性を指摘。
- ロシアのサイバー犯罪者との関連:World Liberty Financialのウェブサイトが、ロシアのサイバー犯罪者と関連する匿名プライバシーサービス「Withheld for Privacy」を使用している疑惑がある。このサービスは、アイスランドを拠点としており、ウェブサイトのドメインの詳細を隠すことを可能にする。トランプ陣営は、この件に関するNewsweekのコメント要請に応答していない。
トランプ氏は「アメリカを仮想通貨の首都にする」と公約し、ビットコインの戦略的備蓄や、連邦準備制度理事会(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の創設阻止を叫んでいる。トランプ氏の発表後、ビットコインは2週間ぶりの高値を記録し、仮想通貨関連株も一時上昇した。
一方で、倫理的懸念も提起されている。トランプ家族のビジネス利益と政治的影響力の混同や、選挙直前の個人的なビジネス宣伝に対する批判が上がっている。
トランプ氏の仮想通貨事業への参入は、大統領選挙を前にした政治的な動きとして注目されているが、同時に、その事業内容や運営方法、そしてロシアのハッカーとの関連性など、多くの疑問点も浮上している。 今後のWorld Liberty Financialの動向は、仮想通貨業界だけでなく、米国政治の行方にも大きな影響を与える可能性がある。
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参照ソース:トランプ氏公式Xアカウント / CryptoSlate