5月に発表された「ビットコイン・トレジャリー戦略」と連動
ドナルド・トランプ米大統領が創設した「Trump Media and Technology Group(TMTG)」は5日、米証券取引委員会(SEC)に対して、ビットコイン上場投資信託(ETF)「Truth Social Bitcoin ETF, B.T.(以下、ETF)」の初期登録届出書(Form S-1)を提出したと発表した。
同社は、「Truth Social」やTV配信プラットフォーム「Truth+」、金融サービスブランド「Truth.Fi」を展開しており、今回のETF構想は、暗号資産(仮想通貨)を軸にした事業の一環と位置付けられる。
発表によると、このETFはビットコインを現物で直接保有し、その価格パフォーマンスを反映することを目的とする。投資家は、ETFの持分を通じてビットコインの価格変動に連動する投資が可能になる。
このETFでは、仮想通貨取引所「Crypto.com」がビットコインのカストディ、執行代理、および流動性提供を担う。ETFの正式な上場には、今回のForm S-1に加えて、SECの追加の承認が必要であり、両者が認可された後に証券取引所「NYSE Arca」での取引が開始される見通しである。
今回のETF申請は、トランプ・メディアがすでに進めている大規模なビットコイン財務戦略とも連動している。5月、同社は約25億ドル(約3,600億円)規模の資金調達を発表し、その資金をビットコインの直接保有に充てると明らかにしていた。この「ビットコイン・トレジャリー戦略」は、約50の機関投資家から普通株式15億ドルと転換社債10億ドルを調達し、米上場企業として最大級のビットコイン保有事例のひとつとなる。
今回のETF申請は、TMTGがすでに開始しているビットコイン保有戦略との一貫性を持つ動きであり、今後の展開次第では、米国の企業財務戦略や仮想通貨市場にも影響を与える可能性がある。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.87円)