出版大手の「株式会社幻冬舎(げんとうしゃ)」と、漫画専門のネット書店やイベントを運営する「株式会社TORICO(トリコ)」は20日、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンなどのWeb3領域における新規事業の創出に向けた業務提携を発表した。
幻冬舎が知見を提供、TORICOのWeb3展開を支援
今回の業務提携は、幻冬舎が運営するWeb3専門メディア「あたらしい経済」を通じて培ってきた知見やネットワークを、TORICOが展開するデジタル資産関連事業に活かすことを目的としている。
プレスリリースによると、幻冬舎はTORICOの「暗号資産・ブロックチェーンの既存事業への活用や、新規事業の創出を支援」する。さらに、同じ出版・コンテンツ業界の企業として、Web3関連の共同事業の実施も目指すとしている。
幻冬舎は、書籍や雑誌を手がける総合出版社。2018年にはWeb3専門メディア「あたらしい経済」を創刊し、ニュース配信だけでなく、法人向けのコンサルティングやコミュニティ運営なども行っている。
一方のTORICOは、ネット書店「漫画全巻ドットコム」やエンタメIP関連イベント「マンガ展」などを運営する東証グロース上場企業。同社は今年7月、財務戦略の一環として「暗号資産投資事業」の開始を発表している。2026年から5億円を投じてビットコインなどを保有する計画を明らかにしており、デジタル資産領域への取り組みを強化していた。

今回の業務提携は20日の16時すぎ、東京証券取引所の取引終了後に発表された。これを受け、翌21日の株式市場ではTORICO株に買い注文が殺到。前日終値1,334円に対し、取引開始直後から気配値を切り上げ、午前9時12分にはストップ高となる1,634円まで高騰した。本稿執筆時点でも、同価格に張り付いている。
コンテンツ業界の知見を持つ両社が、Web3という新たな領域でどのようなシナジーを生み出すのか、今後の動向に期待したいところだ。
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