Binanceは首位維持、MEXC・Gate.ioが続く──勢力図に変化
暗号資産(仮想通貨)データ分析企業「TokenInsight(トークンインサイト)」が発表した2025年第1四半期(1月〜3月)の仮想通貨取引所レポートによれば、市場全体の取引高は前期比で減少した一方で、「Binance(バイナンス)」が依然として首位を維持した。特に現物市場では43.9%のシェアを記録したと報告されている。また、「MEXC」や「Gate.io(ゲート)」などが市場シェアを大きく拡大しており、勢力図にも変化が見られた。
市場全体の動向:政策不透明感から取引量は前期比12.5%減
2025年第1四半期の仮想通貨市場は、2024年第4四半期の楽観ムードから一転し、調整局面に突入した。レポートによれば、仮想通貨全体の時価総額は約22.8%減少し、主要10取引所の総取引高も前期比12.53%減の約23兆ドルとなった。
これは、米国の政策の不透明感やマクロ経済への懸念から、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要資産の価格が下落し、市場全体の取引活動が沈静化したことを反映している。
取引所別シェア変動:バイナンス首位維持、Gate.ioとMEXCが成長

市場全体が縮小する中、取引所間のシェア争いには変化が見られた。バイナンスは全体の約36.5%のシェアを獲得し、依然としてトップに君臨。しかし、前期比では微減しており、他取引所がシェアを伸ばした。
全体市場シェアにおいて、ゲートは前期比で+2.07%と最もシェアを拡大(2025年Q1のシェアは5.41%)。次いでMEXCも+0.59%の増加を見せ、シェア13%台に乗せた。その他、「HTX(エイチティーエックス)」や「Coinbase(コインベース)」も僅かながらシェアを伸ばしている
現物・デリバティブ市場:MEXCが存在感を拡大

市場別に見ると、現物市場の取引高は前期比13.1%減の4兆6,000億ドルとなった。現物シェアではバイナンスが平均43.9%と圧倒的な首位を維持。現物市場で最もシェアを伸ばしたのはMEXCで、前期の6.1%から7.8%へと1.7ポイント増加させたのが目立つ。その他、「Bitget(ビットゲット)」なども現物シェアを拡大した。

一方、デリバティブ市場の取引高は約21兆ドルで、前期比約9〜10%減と現物より下落率は小さかった。シェア首位はバイナンスで平均30.3%。MEXCは+4.3%で12.5%となった。
トークンインサイトは今後の見通しとして、「マクロ経済の不確実性が続く中で仮想通貨市場は短期的にさらなる下落リスクにさらされる可能性がある」とし、取引所は安定性やコンプライアンスを重視する動きを強めるだろうと分析している。
取引所の勢力図をまとめると、バイナンスがトップの座を堅持しているなかで、「Bybit(バイビット)」・「OKX(オーケーエックス)」の2位争いにMEXCが加わった形だ。MEXCの躍進が2Q以降も続くのか注目しよう。