最良レートを実現、独自ルートで81%の優位性
DEX(分散型取引所)アグリゲーター「Titan(タイタン)」は21日、Solana(ソラナ)上初の“メタDEXアグリゲーター”のプライベートベータ版をローンチしたと発表した。
本ニュースのキモは、「メタDEXアグリゲーター」にある。ようは、複数のDEXや他のアグリゲーターを全部まとめて最適なスワップルートを探すしくみのことである。ソラナにはすでに「Jupiter(ジュピター)」という既存のアグリゲーターがあったが、タイタンはさらにその上を行く“アグリゲーターのアグリゲーター”をやろうとしているわけだ。しかも自前で「Talos(タロス)」というルーティングアルゴリズムを開発し、約81%のケースで競合を上回り、平均1%ほどレートが良くなると豪語している。1%はトレーダーにとってものすごくデカい。1億円ぶっこんだら100万円ぶん違うって話だから、そりゃ細かい数字でも目が冴えてしまう。
しかも、当のソラナ公式が、3月21日にタイタンのことを歓迎するツイートまでしている。
ソラナ陣営も「これは面白いプロジェクトだ!」ってノリノリなのだろう。いや、正直ジュピター一強のままだと、新しい刺激が足りないじゃない? 競争があるとユーザー側はおいしいレートが手に入るし、プロトコル開発者も潤っていくって構造になる。アグリゲーター同士がバチバチやり合うのは大歓迎というわけだ。タイタンはまだプライベートベータ版の段階で、ウェイトリスト登録やアクセスコードが必要とのことだが、これが一般公開されたらDeFi(分散型金融)界隈はもっと盛り上がりそうだ。スワップ手数料も無料(厳密にはネットワーク手数料だけ)というのもユーザーからするとありがたい。
タイタンのタロスは、スワップ額が大きいほど効いてくる「価格インパクト」を上手く抑えてくれる。複数プールに少しずつ分散させるとか、「数理最適化アルゴリズム」で最適解を導く設定になっているらしい。「数理最適化」というワードに厨二心がうずく。競合を81%の頻度で上回るという話も、単なる宣伝文句ではなくて実際にデモ映像で見せている。USDC→SOLのスワップで数ドルでも多く得られるなら、そっちを使いたくなるのが人情だろう。
現状のDeFi界隈だと、どうしても既存の強者アグリゲーターに流れがちだが、ここにタイタンが割り込んでくることは業界全体にとってプラスだろう。こういう競争がなければ、分散型金融なんて絵に描いた餅だ。ソラナ公式が注目しているというのも、将来的な拡張やマルチチェーン展開の期待感がある。タイタンが今後どう差別化していくのか、トークンは出るのか、その辺も含めてユーザーも巻き込んで見守る価値がある。
Titan@Solanaが提供する「最良レートのスワップ」は、競合他社を突き上げるには十分なインパクトがある。個人的にも「1%アップ」は見逃せないところだ。
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