英大手銀行スタンダードチャータードが、過半数を出資する暗号資産(仮想通貨)カストディ企業「ゾディア・カストディ(Zodia Custody)」の一部事業を、自行のデジタル資産部門に統合する計画を進めていると、ブルームバーグが8日に報じた。複数の関係者の話として伝えている。
カストディ事業をCIB部門に統合、ゾディアはSaaSとして存続
計画の骨子はこうだ。ゾディアが手がける暗号資産カストディ業務を、スタンダードチャータードの法人・投資銀行(CIB)部門内で同様のサービスを提供する部署に統合する。一方、ゾディア・カストディ自体はSaaS事業として独立して存続させる方向で検討されている。
発表は早ければ今月中にも行われる可能性があるという。
ゾディアの少数株主には、ノーザントラスト、エミレーツNBD、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)、SBIホールディングスが名を連ねるが、これら株主との協議が行われたかどうかは明らかになっていない。エミレーツNBDとノーザントラストはコメントを拒否、SBIとNABは取材に回答していない。スタンダードチャータードとゾディアもコメントを控えた。
今回の再編の背景には、サービスの重複がある。スタンダードチャータードは2025年1月にルクセンブルクから自前のデジタル資産カストディサービスを開始し、同年夏には機関投資家向け暗号資産トレーディングも立ち上げた。いずれもゾディアが提供するサービスと重なっており、グループ内での効率化が課題となっていた。
ゾディアは2020年、スタンダードチャータードとノーザントラストの共同出資で設立された。ロンドン、ダブリン、ルクセンブルク、シンガポール、UAE、シドニー、香港の7拠点に約150人の従業員を擁する。設立以降、複数回にわたる外部資金調達を実施してきた。
暗号資産カストディ領域では、ステート・ストリート、BNYメロン、モルガン・スタンレーなど大手金融機関の参入が相次いでいる。モルガン・スタンレーは米国で暗号資産のカストディとステーキングを手がけるナショナルトラスト銀行の認可を申請中だ。今回のスタンダードチャータードの再編は、大手銀行が暗号資産カストディを「周辺事業」から「中核インフラ」へ位置づけ直す動きの一環といえる。




