ロビンフッド、欧州で仮想通貨24種の入出金サービス開始

Robinhood欧州進出加速、24種の仮想通貨の入出金サービス開始
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目次

MiCA施行前、ユーザーの仮想通貨管理を自由化

アメリカの大手投資プラットフォーム「Robinhood(ロビンフッド)」は1日、欧州連合(EU)の顧客向けに新たな暗号資産(仮想通貨)の入出金サービスを開始したと発表した。同社は公式Xアカウントで「ユーザーの要望に応え、欧州の全顧客向けに24種類の仮想通貨の入出金サービスを開始した」と述べ、さらに「期間限定で、入金されたすべての仮想通貨に対して1%のマッチボーナスを提供する」と付け加えた。

お客様のご要望にお応えして・・・ヨーロッパのすべての顧客向けに24種類の仮想通貨の入出金サービスが利用可能になった🎉これを記念し、期間限定で、仮想通貨を入金すると1%のマッチボーナスを提供する。

金融市場情報メディア「CNBC」の報道によると、このサービス拡大により、EUのロビンフッドユーザーは以下の機能を利用できるようになった:

  • ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、USDコインを含む24種類の仮想通貨の入出金が可能
  • 自己管理(セルフカストディ)機能により、ユーザーが直接仮想通貨を所有・管理可能
  • プライベートウォレットへの資産移動が可能

この動きは、EUの新しい仮想通貨規制である「暗号資産市場規制(MiCA)」の施行を見据えたものだ。MiCAは、27のEU加盟国全体で統一された仮想通貨規制を提供し、業界に明確な指針を示すことが期待されている。2024年中に施行される見込みだ。

ロビンフッドは、MiCA施行によりEUが仮想通貨市場としての魅力を高めると見込み、早期対応を進めている。

ロビンフッドの仮想通貨部門のゼネラルマネージャー、ヨハン・ケルブラ氏は、EUの仮想通貨市場の潜在性について次のように述べている:

「市場規模の観点から、EUはアメリカと同程度の大きさです。MiCAが完全に施行されれば、すべてのEU諸国が同じ規制体制下で運営されることになり、非常に魅力的な市場になる可能性があります」

今回のサービス拡充は、特に以下の点で仮想通貨業界にとって注目に値する。

  • 資産管理の自由度の向上: ユーザーは、ロビンフッドプラットフォームに縛られることなく、自身で管理するウォレットに資産を移動し、自由に運用できる。
  • セキュリティの向上: セルフカストディにより、取引所などの第三者に預けるリスクを軽減し、より安全に資産を保管できる。
  • DeFiへのアクセス拡大: ユーザーは自身のウォレットからDeFi(分散型金融)プラットフォームに仮想通貨を送金し、DeFiサービスを利用できる。

さらに、ロビンフッドは6月6日、ルクセンブルクの大手仮想通貨取引所「Bitstamp(ビットスタンプ)」を約2億ドル(約288億円)で買収する計画を発表している。現時点では買収は完了していないが、この取引により、ロビンフッドは以下の利点を得る見込みだ:

  • シンガポール、英国、EU全域での規制承認を含む50以上のライセンスを獲得
  • 機関投資家向けサービスの拡充
  • 「クリプト・アズ・ア・サービス」ソリューションの提供が可能に

一方、ロビンフッドの欧州での事業拡大は、アメリカの仮想通貨企業が厳しい規制に直面している時期に行われた。米国証券取引委員会(SEC)は、未登録の有価証券を取引した疑いで、コインベースやバイナンスを含む複数の仮想通貨取引所を提訴している。これらの企業はSECの主張に異議を唱えているが、米国における仮想通貨規制の不透明感は、業界全体に不確実性をもたらしている。

このような状況下、ロビンフッドは、いち早くMiCA対応を進めることで、欧州市場での優位性を築き、将来的な成長の基盤を固めようとしていると考えられる。

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参照ソースロビンフッド公式Xアカウント / CNBC

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この記事を書いた人

中井 純、工学博士
AIは30年以上、web3(仮想通貨)は3年以上フォロー。web3x生成AIには早くから注目し、ビジネスチャンスを研究。東大応用物理学科卒業後、ソニー研究所にて、CD、AIなどの研究開発に従事。MITの電子工学博士取得後、外資系社長を歴任。最近はハイテク・スタートアップの資金調達支援を手がけるかたわら、自らweb3x生成AIのライターとして活躍。技術的なことも分かりやすく、ユーザー目線で解説することが得意です。著書2冊。

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