米国のビットコイン(BTC)
BTCマイニング大手Riot Platforms(ライオット・プラットフォームズ、RIOT)は4日(米国時間)、第3四半期(7〜9月)の決算を発表し、9月末のビットコイン保有が2,418 BTCになったと明らかにした。6月末の1万1,380BTCから約79%の減少だ。同社は売却資金を主にデータセンターの開発に充てており、同日にはAI企業向けに910MWを貸し出す約280億ドル(約4兆4,360億円)の契約も発表した。同じく米マイニング大手のHut 8(ハット8、HUT)も、約3,102 BTCを売って自社株買いに充てたと公表している。
ライオット、7〜9月に1万599BTCを売却
四半期報告書(10-Q)によると、ライオットは1〜9月に2万264BTCを売り、約14億8,396万ドル(約2,351億円)を得た。
1〜6月の売却は9,665 BTC(約7億3,246万ドル、約1,160億円)で、差し引くと7〜9月だけで1万599BTC、約7億5,150万ドル(約1,191億円)を売ったことになる。同じ3か月に採掘したビットコインは1,637 BTCで、売却はその約6.5倍にあたる。
| 期間 | 売却したBTC | 売却額 | 期末の保有 |
|---|---|---|---|
| 1〜3月 | 3,778 BTC | 約2億8,948万ドル | 1万5,679BTC |
| 4〜6月 | 5,887 BTC | 約4億4,298万ドル | 1万1,380BTC |
| 7〜9月 | 1万599BTC | 約7億5,150万ドル | 2,418 BTC |
年初の保有は1万8,005BTCで、9月末までに約87%減った。1〜3月の売却は、JinaCoinのライオットのビットコイン売却の記事で伝えている。
売却代金の一部は、ビットコインなどを担保にしたコインベースの2億ドル(約317億円)の融資枠の返済にも使った。9月21日に全額を前倒しで返し、担保に入れていたビットコインの担保設定はすべて解除された。
同社は10-Qで、今後も採掘したビットコインのほぼすべてを売り、データセンターの開発や運転資金に充てる見通しを示した。当面は、まとまったビットコインを積み上げる見込みはないとしている。
9月末の現金とビットコインは、現金7億4,820万ドル(約1,185億円、うち使い道が制限された資金7,920万ドル=約125億円)と、ビットコイン2億200万ドル(約320億円)の計9億5,020万ドル(約1,505億円)だった。
保管先も変えた。10月7日にBitGo(ビットゴー)の信託銀行と保管契約を結び、NYDIGの信託会社から資産を移した。臨時報告書(8-K)によると、移管が終わった10月29日にNYDIGとの保管契約は自動で終了している。
7〜9月の売上高は1億8,140万ドル(約287億円)で、前年同期とほぼ同じ水準。純利益は403万ドル(約6.4億円)で、前年同期の1億448万ドル(約166億円)から減った。
ライオットの賃貸先はアンソロピック、280億ドルの契約
同社は決算発表で、テキサス州コルシカナの施設全体を大手のAI研究所に15年間貸す契約を明らかにした。規模は910MW、契約総額は約280億ドルで、年間の賃料は平均約18億ドル(約2,852億円)にのぼる。
発表文は相手の名前を出していないが、同日に提出した10-Qは、相手をアンソロピックと記載している。対話型AIのClaudeを開発する企業だ。契約は10月28日に結ばれ、取締役会の承認などを経て11月4日に効力が生じた。
ライオットが用意するのは土地と電力設備で、計算機の設備はアンソロピック側が設置・運用し、電気代も負担する。賃料は引き渡した区画ごとにかかり、全面引き渡し後は使用量にかかわらず910MW全体が対象になる。引き渡しは3段階で、最初の400MWは2027年9月、残りは2028年1月と7月を目標にしている。
10-Qによると、ライオットは、アンソロピックが負担するデータセンターのモジュールの費用の一部を、実際に稼働可能になった容量1MWあたり最大400万ドル(約6.3億円)まで払い戻す。
この払い戻しは、ライオットが受け入れられる市場の条件で資金を借りられることが前提だ。合理的な努力をしても借りられない場合は、アンソロピックがその分を自ら負担し、ライオットは年12%の利息を加えた額を、当初の契約期間の残りの賃料から差し引く形で返す。
ライオットは8月にも、テキサス州ロックデールの施設で同じ相手と191MWの賃貸契約を結んでいる。半導体大手AMDとの契約を合わせ、貸し出しが決まった容量は計1,151MW、契約総額は約380億ドル(約6兆203億円)になった。
ジェイソン・レスCEOは決算発表で、契約した賃料が入り始めたら、開発中の案件か株主への還元か、1株あたりの価値を最も高める使い道に資金を配分すると述べた。
ハット8は約3,102 BTCを売って自社株買い
ハット8も4日に決算を発表した。7〜9月の純利益は1億8,949万ドル(約300億円)で、前年同期の5,061万ドル(約80億円)から増えた。
この中には、デジタル資産の利益4億1,380万ドル(約656億円、大半は含み益)が含まれる。同社の株主に帰属する純利益は1億3,107万ドル(約208億円)だった。
同社は7〜9月に約954 BTCを売り、手取り7,480万ドル(約119億円)を充てて自社株95万3,802株を7,470万ドル(約118億円)で買い戻した。
同社の10-Qによると、10月にも約2,148 BTCを売り、手取り1億7,540万ドル(約278億円)を充てて238万4,677株を1億7,530万ドル(約278億円)で取得している。
2回の売却は計約3,102 BTCで、自社株買いの累計は333万8,479株、約2億5,000万ドル(約396億円)と当初の枠に達し、取締役会は11月2日、枠を10億ドル(約1,584億円)に広げることを承認した。
同社の10-Qによると、10月の売却前の9月末時点の保有は、子会社の分を含めて約1万6,787BTC。このうちハット8自身の分は約8,360 BTCだった。
国内でもイオレがビットコイン全量売却へ
国内では、東証グロース上場のイオレ(2334)が10月30日、保有する151.21 BTCを全量売ると開示した。売却代金の見込み18億3,100万円は、AIデータセンターと、AI計算力の提供・ネオクラウド事業への投資に優先して充てる。
売却は11月末までに暗号資産(仮想通貨)交換業者を通じて行う予定で、約2億5,400万円の売却損を見込む。7月から取得しているハイパーリキッドのHYPE
HYPEは持ち続ける方針だ。同社のこれまでの保有は、JinaCoinのイオレのビットコイン保有データで確かめられる。
同社は、売却の影響をほかの要因も含めて見直す場合は、11月16日に公表予定の第2四半期決算短信で示すとしている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.43円)


