香港も仮想通貨の税務情報を各国と交換へ──日本より1年遅れの28年開始

香港も仮想通貨の税務情報を各国と交換へ──日本より1年遅れの28年開始
ヤマダケイスケ
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Highlights
  • 4日、香港立法会がCARFと改正CRSを導入する税務条例案を可決
  • 暗号資産同士の交換や外部ウォレットアドレスへの移転も報告の対象に
  • 業界向けガイダンスをはじめ交換対象国・地域リストや専用ポータルを整理予定

香港立法会は4日、暗号資産(仮想通貨)取引の税務情報を国・地域間で自動交換する暗号資産報告枠組み(CARF)を導入する条例案を可決した。対象事業者は2027年から情報を収集し、香港税務局は2028年から相手国・地域との交換を始める予定だ。

CARFと改正CRSを段階的に導入へ

CARFは、暗号資産市場の拡大を受けて経済協力開発機構(OECD)が定めた国際基準で、香港は今回の法案で導入する。香港政府は2025年12月から2026年2月まで業界などの意見を募り、2026年5月に法案を公表した。

法案には、従来の金融口座情報を扱う共通報告基準(CRS)の改正も含まれる。改正CRSはデジタル金融商品を対象に加え、金融機関の報告や顧客確認の要件を強化する。2028年に発効し、新基準による情報交換は2029年から始まる予定だ。

香港政府は、CARFに基づく交換を適格な相手国・地域と相互に行い、機密保持とデータの安全性を前提とすると説明している。

暗号資産同士の交換や移転も報告対象

香港税務局によると、報告対象となる取引は暗号資産と法定通貨の交換や暗号資産同士の交換、暗号資産の移転(外部ウォレットアドレスへの移転を含む)の3種類である。

顧客情報には、氏名、住所、税務上の居住地、納税者番号などが含まれる。取引情報は暗号資産の種類ごとにまとめ、交換・移転の総額や数量、件数などを記録する。事業者は新規顧客から税務上の居住地に関する自己申告を取得し、既存顧客についても制度開始後12カ月以内に取得・確認する。

対象資産には、利用方法によって非代替性トークン(NFT)も含まれ得る。ただし、中央銀行デジタル通貨や一定の電子マネー、決済や投資に使えないと事業者が適切に判断した暗号資産は除外される方針だ。

日本は26年施行済み、27年9月に初回交換へ

日本ではCARFに対応する報告制度が2026年1月に施行された。国税庁によると、国内の暗号資産交換業者などは同年分の非居住者の取引情報を2027年4月末までに報告し、税務当局間の初回交換は同年9月末までに行う。情報収集と初回交換は、香港よりそれぞれ1年早い予定となる。

CARFの実施と並行して、国内の課税制度も変わる。JinaCoinの暗号資産規制トラッカーによると、所得税法・租税特別措置法に関する暗号資産の改正は2028年1月1日に施行予定だ。この改正は国内の課税方法に関するもので、CARFとは異なる制度となっている。

今後、香港税務局は業界向けのガイダンスを発行し、専任チームで技術的な問い合わせに対応する。交換対象となる国・地域のリストや事業者が報告に使う専用ポータルの詳細も公表する予定だ。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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