元Visa幹部ラジ・パレク氏が決済戦略を牽引、Portal Labsは完全子会社として運営継続
高性能レイヤー1ブロックチェーン「Monad(モナド)」の開発を推進する「Monad Foundation(モナド財団)」は9日、ステーブルコイン決済インフラ「Portal(ポータル)」を運営する「Portal Labs(ポータルラボ)」を買収したと発表した。この買収により、モナドのEVM互換エコシステムにフルスタック決済ソリューションが導入される。
ポータルCEOのラジ・パレク氏(元Visaのグローバル暗号資産プロダクト・ディレクター)がモナド財団の決済・ステーブルコイン責任者に就任する。ポータルラボは完全子会社として独立運営を継続し、共同創設者のパルサ・アッタリ氏(CEO)、デビッド・スクロボニア氏(CTO)、ラミ・シャハティット氏(COO)が経営を牽引する。
モナドは100%EVM互換の高性能ブロックチェーンで、並列実行アーキテクチャにより秒間1万件超のトランザクションを処理できる性能を備える。これまでに3億を超えるオンチェーンアドレスから20億件のトランザクションを処理してきた実績があり、現在モナドテストネットが稼働中だ。ポータルラボは100以上のブロックチェーンに対応し、イーサリアム、ビットコイン、ソラナ等の主要チェーンで日々数百万ドル規模のステーブルコイン決済を処理している。
ラジ・パレク氏は「ポータルは誰もがオンチェーンで資金移動できるハードルを下げるために構築された。ポータルとモナド財団の相互補完的なビジョンにより、そのミッションをより迅速に拡大できる」とコメント。モナド財団共同創設者のキオネ・ホン氏は「決済はブロックチェーンのキラーユースケース。ポータルの本格的なステーブルコインレールは、企業や開発者にプラグアンドプレイソリューションを提供する」と述べた。
この買収は、ブロックチェーン技術の実用化において決済分野の重要性を示している。モナドの高性能インフラとポータルの決済専門知識の組み合わせにより、従来の金融システムを超える新たな決済エコシステムの構築が期待される。ステーブルコイン市場の拡大に伴い、企業や金融機関のブロックチェーンベース決済ソリューション採用が加速する中、この戦略的買収は市場ニーズに応える重要な投資として位置づけられる。
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