トランプコインがメテオラの取引量急増を牽引
Solana(ソラナ)チェーンを基盤とするDEX(分散型取引所)「Meteora(メテオラ)」が、2025年に入り急激な成長を遂げている。「The Block(ザ・ブロック)」のデータによれば、メテオラの2024年12月の月間取引量(ソラナ基盤DEX内)シェアはわずか0.3%だったが、今月には9%に急上昇し、前月比で33倍の増加を記録した。
メテオラは、ソラナチェーン上での流動性向上とDeFi(分散型金融)の活性化を目的とするDEXである。同プラットフォームでは、SOLやUSDCをはじめとするさまざまなトークンの流動性プールが提供されており、ユーザーは流動性の提供やトークンスワップを行うことができる。
特に注目されるのが、DLMM(ダイナミック流動性マーケットメイカー)を採用している点だ。この仕組みは、従来のAMM(自動マーケットメイカー)と異なり、流動性を特定の価格帯に集中させることが可能となっている。この特徴を活かし、メテオラはユーザーの資本効率を向上させるとともに、流動性提供者(LP)に対する動的な手数料収益の分配を実現している。
仮想通貨分析サイト「DefiLlama(ディファイラマ)」のデータによると、メテオラの取引量は2024年8月以降低迷状態にあったが、2025年1月に急増。執筆時点での月間取引量は約369億ドル、24時間の取引量は約14.4億ドルに達している。
この取引量急増の背景には、ドナルド・トランプ米大統領の公式ミームコイン「TRUMP」がある。同コインは18日にメテオラのDLMMプールに上場し、取引開始からわずか3時間で対USDC・対SOLあわせて10億ドル以上の取引量を記録。この驚異的な取引量が、メテオラ全体の流動性と取引活性化を大きく後押ししている。
仮想通貨投資家のピーター・ジェニングス氏は、「TRUMPの取引量が最初の3時間で10億ドルを超えたのはINSANE(異常なレベル)だ」とXで驚きを表明している。
また、メテオラのLP向けのツール開発を手がけるbenchow.sol氏は、「メテオラのDLMMプラットフォームでのTRUMPのローンチは、JupiterExchange(ジュピターエクスチェンジ)なしでは実現しなかった」と述べ、ジュピターの役割の重要性を強調した。さらに「ジュピターのトークン検証プロセスは優秀で、大量の詐欺トークンを抑制した」と指摘し、TRUMPのスムーズな取引を支える要因になったと評価している。
メテオラは長らく取引量の低迷が続いていたが、2025年1月に急成長を遂げた。DLMMの採用による流動性の最適化はもちろん、トレンド性の高いミームコインの上場も取引量の増加に大きく貢献している。今後も流動性の強化や新たなサービス展開などを通じて、メテオラがさらなる成長を遂げることに期待したい。
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