メタプラネット、9月17日新株3.8億株の受渡完了──株価はどう動くのか

JinaCoin編集部
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ビットコイン財務企業の「株式会社Metaplanet(メタプラネット)」(証券コード:3350)は、6月の高値から株価が約7割下落し調整局面にある一方、年初来では依然として58%超の上昇を維持している。市場の注目を集めていた新株の受渡が17日に完了し、株価がどちらに振れるのかが試されている。

大規模増資の資金はビットコイン購入に充当予定

株価変動の背景にあるのが資本政策である。メタプラネットは10日、3億8,500万株の新株を1株あたり533.39円で発行し、約2,041億円を調達すると発表した。調達資金は主にビットコイン購入に充てられるが、短期的には一株当たりの価値が希薄化するとの見方が強い。この新株は9月17日に市場へ受渡され、株価の方向性を占う大きな節目となった。

メタプラネット株価チャート(日足)。6月の高値から下落が続き、9月16日時点で終値601円。海外市場での新株発行価格533円を上回り推移している様子を示す。
出典:TradingView

今回の海外募集の一環として、米ナスダック上場の「KindlyMD(カインドリーMD)」傘下「Nakamoto Holdings(ナカモト・ホールディングス)」が最大3,000万ドル(約44億円)を投資することも決まった。資金は16日に拠出され、翌17日に株式が受渡された。

メタプラネットは8日に136 BTCを追加購入し、総保有量は20,136 BTCに到達した。第2四半期には含み益が拡大し、中間決算で黒字化を果たしている。株主が注視するのは「希薄化で減る一株当たりBTC」を、どれだけ迅速に積み増しでカバーできるかだ。今回の受渡を経て、株価はこのバランスに対する市場評価を映し出すことになる。

では、実際に17日以降の株価はどう動くのか。考えられるシナリオは大きく三つに分けられる。

  • 弱気シナリオ:新株発行による希薄化が意識され、市況の悪化やビットコイン下落と重なれば、株価は短期的に下押しされる。
  • 中立シナリオ:新株の需給悪化とビットコイン積み増し期待が拮抗し、株価はビットコインの値動きに連動しながらレンジ圏で推移する。
  • 強気シナリオ:ナカモト投資を含む外部資金の流入が安心感を与え、ビットコイン価格も堅調に推移すれば、需給懸念を上回って株価は上昇に向かう。

今回の株式受渡は短期的な需給悪化要因として警戒されていたが、株価は17日午前10時台に前日比+1.01%の599円で推移し、大きな混乱は見られなかった。メタプラネット代表取締役のサイモン・ゲロヴィッチ氏は公式X(旧Twitter)で、引受先からの資金受領が完了したと報告している。市場の反応は限定的で、すでに大規模増資は織り込み済みとみられる。今後は調達資金を用いたビットコイン追加購入の規模とタイミングが最大の焦点となりそうだ。

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