米予測市場プラットフォーム「Kalshi(カルシ)」は26日、過去1年間に実施したインサイダー取引調査の結果を公表した。
カルシの調査で発覚した不正行為の詳細
カルシは過去1年間で合計200件の調査を開始し、そのうち12件以上がアクティブな係争案件に発展していることに加え、調査が完了した2つの重大な違反事例の詳細と処分内容が明らかにされた。
重大な違反事例の詳細は以下のとおり。
1. カリフォルニア州知事候補者による自己取引
カリフォルニア州知事選の候補者が、自身の当選の是非を問う市場において約200ドルの取引を行ったもの。
- 違反内容:自身の選挙結果に賭けただけでなく、その旨をSNSに投稿。カルシが定める複数のルールに抵触した。
- 処分内容:5年間の利用禁止、および初期取引額の10倍に相当する罰金。
- 備考:当該候補者は最近、知事選からの撤退と連邦下院議員選挙への出馬を表明している。
2. MrBeast動画編集者によるインサイダー取引
世界的人気を誇るYouTuber「MrBeast(ミスタービースト)」の動画に関連する不正取引で、本件は詳細な処分通知により、違反者の氏名や具体的な数字が判明している。
- 違反者:アルテム・カプチャー氏
- 違反内容:ミスタービーストの動画編集者として雇用されており、動画の内容に関する未公開の重要情報を入手できる立場にありながら、ミスタービーストに関連する内容について約4,000ドルの取引を行った。
- 発覚の経緯:カルシの監視システムが、市場における不自然なほど高い的中率を検知。同時に、公開されている取引データを分析した一般ユーザーからも異常な活動に関する情報提供があった。
- 処分内容(2026年2月25日付):2年間のアクセス停止。合計20,397.58ドル(約319万円)の支払い。
カルシは、これらのケースを商品先物取引委員会(CFTC)に報告済みだとしている。徴収した罰金は、デリバティブ市場に関する消費者教育を行う非営利団体に寄付される予定だ。
また、同社は新たに「独立監視監査委員会」を設置したことも発表した。今後は四半期ごとに、違反フラグが立てられた取引、調査件数、政府に送致された案件などの統計レポートを公開し、市場の健全性を高めていく方針だ。
あらゆる事象がベット対象となる予測市場において、インサイダー取引はかねてより懸念されていたが、いよいよ本格的なルール作りと対処が始まったようだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.91円)




