金融庁とEUが仮想通貨を議論──声明でトークン化に初めて言及

金融庁とEU、仮想通貨で意見交換──声明でトークン化に初めて言及
水澤 誉往

金融庁は6日、欧州委員会と4〜5日に東京で開いた日EU合同金融規制フォーラム第7回会合の共同声明を公表した。参加者は暗号資産(仮想通貨)、ステーブルコイン、トークン化の進展について意見交換し、欧州委員会は暗号資産市場規制(MiCA)の実施状況と、最近終了した公開協議の主な論点を報告した。

仮想通貨・ステーブルコイン・トークン化が議題に

共同声明によると、デジタル金融、AI、サイバーセキュリティの分野で、参加者は暗号資産、ステーブルコイン、トークン化の進展と、金融サービスでのAIの活用、サイバーセキュリティとレジリエンスへの脅威の高まりについて意見を交わした。

金融庁は、デジタル金融の最近の動向と、金融分野で責任あるAI活用を促す取り組みを説明した。AI技術の進展を踏まえたサイバーリスクへの対応も共有した。説明の中身は共同声明に書かれていない。

フォーラムとは別に、国内では金融庁が10月に再開した研究会で、ステーブルコインの1件100万円の移転上限などを論点に挙げている。

欧州委員会は、MiCAの実施状況と公開協議の論点を報告した。参加者は、二国間と、G7、G20、金融安定理事会(FSB)などの多国間の場で規制・監督上の協力を続ける必要性を確認した。

この発表は、JinaCoinの規制トラッカーが6日18時7分(日本時間)に検知し、速報ページで伝えていた。

MiCA見直しの意見募集、9月30日に締め切り

共同声明は公開協議の名称を示していない。MiCAに関する欧州委員会の公開協議としては、5月20日に始めたMiCAの見直しに向けた意見募集がある。当初の締め切りは8月31日だったが、6月29日の通知で1か月延長し、9月30日(いずれも現地の日付)に締め切った。

意見募集は、一般市民向けと、業界や当局など専門的な関係者向けの2本立て。関係者向けでは、現行の要件に加え、分散型金融(DeFi)、暗号資産の貸し付け、ステーキング、NFT(非代替性トークン)など、MiCAが当初対象にしなかった分野についても意見を求めた。

欧州委員会は回答をもとに、MiCAの140条と142条で義務づけられた適用状況の報告書をまとめる。意見募集のページによると、必要と判断した場合は、報告書にMiCAを改正・補完する法案を添える可能性がある。

声明でトークン化に初めて言及、次回は2027年ブリュッセル

JinaCoinが2019年の第1回以降の共同声明7本を確かめたところ、トークン化に触れたのは今回が初めて。第1回は暗号資産の語がなくステーブルコインを議論し、欧州委員会は2020年の第2回で暗号資産に関する法制度の提案を説明した。2023年の第4回以降は毎回、欧州委員会がMiCAを報告している。

会合金融庁の説明欧州委員会の報告
第2回(2020年11月、テレビ会議)(声明に記載なし)デジタル・ファイナンス・パッケージの暗号資産に関する法制度提案
第3回(2022年3月、テレビ会議)ステーブルコインの法規制の枠組み案デジタルオペレーショナルレジリエンス法(DORA)案の議論
第4回(2023年10月、ブリュッセル)ステーブルコインと暗号資産の法令上の枠組みMiCA、金融データアクセス規制(FIDA)、DORAの最新情報
第5回(2024年10月、東京)暗号資産とAIの最近の動向MiCAの実施状況
第6回(2025年12月、ブリュッセル)暗号資産の法規制の見直し、国内のステーブルコインの流通状況、AIの活用MiCAの実施状況と実施措置の進捗
第7回(2026年11月、東京)デジタル金融の最近の動向、AIの活用MiCAの実施状況と公開協議の論点
各回の共同声明のデジタル金融の項目から、主な説明・報告を抜粋。第1回(2019年10月、東京)は暗号資産の語がなく、ステーブルコインを議論 出典:金融庁が公表した各回の共同声明(仮訳)をもとに作成

今回の会合は、尾﨑有・金融庁国際総括官と、欧州委員会のアレクサンドラ・ジュール=シュレーダー金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局次長が共同議長を務めた。

欧州中央銀行(ECB)、欧州銀行監督機構(EBA)、欧州証券市場監督機構(ESMA)、欧州保険年金監督機構(EIOPA)、単一破綻処理委員会(SRB)の幹部も参加した。

フォーラムは日EU経済連携協定の附属書に基づく会合で、金融庁によると、毎年、日本とEUで交互に開く。次回は2027年にブリュッセルで開催する予定だ。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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