米トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(DJT)のものとされる2つのアドレスから、5日11時17分(日本時間)に記録されたブロックで計4,259.35ビットコイン(BTC)
BTCが、分析会社の表示で暗号資産(仮想通貨)取引所大手Crypto.com(クリプト・ドットコム)のものとされるアドレスへ送られた。
JinaCoinのビットコインの価格データによる執筆時点(5日22時4分、日本時間)の1BTC=約1,261万円で計算すると、約537億円(約3.4億ドル)にあたる。送金元は、同社が転換社債の担保と開示したビットコインと同じ量を受け取っていたアドレスだった。同社は執筆時点で売却したかを発表しておらず、ブロックチェーンの記録で確かめられるのは送金までだ。
トランプ・メディアの送金元、社債の担保と同じ量を受け取り
分析アカウントのルックオンチェーンは5日12時(日本時間)、分析会社の画面を添えて、トランプ・メディアがビットコインを売っているのかと問う投稿をXにした。
添付されたブロックチェーン分析会社アーカムの画面では、送金元の2つのアドレスは「Trump Media : 2028 Convertible N…」、送金先は「Crypto.com : (34jvU)」となっている。
ブロックエクスプローラーのmempool.spaceで確かめると、2件の送金は同じブロック(高さ97万4,613)に入り、数量は2,140.03924387 BTCと2,119.31059852 BTCだった。
2つの送金元アドレスは、2025年9月27日2時10分(日本時間)の同じ取引で、計4,260.72874535 BTCを受け取っていた。同社が6月30日時点の四半期報告書(10-Q)で転換社債の担保とした4,260.73 BTCと、量が一致する。
2つのアドレスは2025年9月25日に計約0.2 BTCを受け取り、12月31日には同じ送金先へ計約1.58 BTCを送っていた。今回の送金で残高はゼロになり、送った量は10-Qの担保の量より約1.38 BTC少ない。
送金先のアドレスは同日12時31分(日本時間)、受け取った2件を別の8つのアドレスからの少額と合わせ、計4,259.47838659 BTCを別のアドレスへ1回で移した。
移した先は取引が5万6,000件を超えるアドレスで、5日22時7分(日本時間)時点の残高は約1万7,335BTC。今回の分は、この時点でまだ動いていない。
今年5月と8月にも、トランプ・メディアのものとされるアドレスから同じ送金先へビットコインが送られ、その日のうちに同じ大口のアドレスへまとめて移されていた。
| 送金先が受け取った日時(日本時間) | 同じブロックで受け取った量 | 大口のアドレスへ移した時刻(日本時間) |
|---|---|---|
| 2025年12月31日2時5分 | 2.9464 BTC | 同日3時9分 |
| 2026年5月22日10時7分 | 2,649.90001485 BTC | 同日10時24分 |
| 2026年8月2日2時26分 | 2,628.31835472 BTC | 同日2時49分 |
| 2026年11月5日11時17分 | 4,259.34984239 BTC | 同日12時31分 |
ブロックチェーンの記録からは、ビットコインが売却されたかどうかは分からない。
トランプ・メディアの転換社債、11月30日に買い戻し請求権
トランプ・メディアは2025年5月29日、利率0%の転換社債を10億ドル(約1,584億円)発行した。満期は2028年5月29日だが、10-Qによると、社債の保有者は、11月30日付で元本の100%での現金による買い戻しを同社に求めることができる。
同社の説明では、担保の4,260.73 BTCは社債の契約に従って引き出しや分配が制限され、制限は遅くとも満期に外れる。元本の残高が5億ドル(約792億円)以下、2.5億ドル(約396億円)以下になった後、同社の請求により、担保と借入の比率の条件を満たせば、担保の一部が段階的に解放される。
同社が2日(米国時間)に提出した核融合企業AEテクノロジーズとの合併の登録届出書(S-4/A)は、保有者の一部または全部が請求した場合、最大約10億ドルの現金を支払う必要が生じうるとし、手元の資金などで足りない可能性があると記載した。
借り換えなどで対応できない場合は、別の借入や株式による資金調達、ビットコインなど暗号資産の売却などが必要になる可能性があるとしている。
S-4/Aは今回の送金より前の提出で、送金に関する記載はない。今回の送金の目的について、同社の説明は出ていない。
トランプ・メディア、2025年にクリプト・ドットコムを保管先に
同社は2025年5月30日の発表で、ビットコインの保管をクリプト・ドットコムとアンカレッジ・デジタルが担うとしていた。4〜6月期の10-Qは、保管先の名前を挙げていない。
ケビン・マクガーン暫定CEOは5月26日(米国時間)のインタビュー(同社が8-Kで提出)で、財務のビットコインの動きを問われ、保有先の分散を進めているとし、セキュリティのためだと説明した。取引に使う口座を分けるリスク管理の考え方で、元本から利回りを得ることも重視していると述べた。
10-Qの後発事象の注記によると、同社は7月31日時点で、担保分を含めて約1万4,139BTCを保有していた。リスク要因の項によると、保有するビットコインの一部は貸し出しなどの形で第三者に預けて利回りを得ている。
10-Qの注記によると、オプション取引の担保に差し入れた分は6月30日時点で2,077.34 BTCだった。
関連:トランプ・メディア、Q3純損失84億円も金融資産4,700億円に──CRO投資開始、営業CF黒字
関連:トランプ・メディア(TMTG)、ビットコイン関連資産20億ドル保有を公表
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.40円)
