日本暗号資産取引業協会、レバレッジ上限の引き上げを要望へ
日本の自主規制団体である「日本暗号資産取引業協会(JVCEA)」は、7月末にも、口座に預けた証拠金以上の売買が行える「レバレッジ取引」において、現在2倍と定められている倍率の上限引き上げを金融庁に要望する方針だ。20日、ブルームバーグの報道により明らかとなった。
JVCEAの小田玄紀副会長は、ブルームバーグの取材で、レバレッジ規制の改革が日本を「より魅力的な仮想通貨・ブロックチェーン企業にすることができ、より多くの取引を促進する」と述べた。
レバレッジ取引の上限倍率は投機を助長しているなどの指摘を受け、20年5月施行の法改正で2倍と定められた。JVCEAによると、20年度の暗号資産(仮想通貨)取引金額全体のうち証拠金取引は8割以上を占める97兆円超だったが、21年度には37兆円程度、22年度には15兆円弱にまで減少した。

また、小田氏は、取引額の減少で世界の暗号資産市場における日本の存在感は薄れていると指摘。日本がWeb3の推進に力を入れたとしても、取引が少なければ「日本の市場は盛り上がっていないと多くの人は思ってしまう」との懸念を示した。
加えて、現在、日本の暗号資産の投資家は9割以上が個人だが、レバレッジ取引の倍率引き上げによって市場が活性化すれば、機関投資家の参入も見込めるとも述べた。
暗号資産取引のレバレッジ上限の引き上げについて金融庁の担当者は、業界団体と議論することには前向きであるが、説得力のある理由を提示しなければならないと指摘。また、レバレッジ上限を引き上げることが、Web3を成長させるという政府の方針にどのように結びつくのかは明確でないとした。
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