イヴァンカ・トランプ氏、ミームコイン「IVANKA」は非公式と警告

ヤマダケイスケ
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トランプ一族の認知を活用した詐欺が拡大

ドナルド・トランプ大統領の娘であるイヴァンカ・トランプ氏は24日、自身の名前を無断使用した非公式の暗号資産(仮想通貨)「Ivanka Trump(IVANKA)」に対し、公式X上で警告を発した。

イヴァンカ氏は、「IVANKA」が本人の了承なしに宣伝されており、自身の名前と肖像権を侵害していると主張。この仮想通貨に一切関与していないことを強調するとともに、「この偽造コインは消費者を欺き、彼らの大切な資産をだまし取る危険性がある」とフォロワーに注意を促した。また、イヴァンカ氏は法的措置を検討していることを明らかにし、消費者に慎重な対応を呼びかけている。

こうした偽コインが出回る背景には、トランプ一族による公式ミームコインの発行がある。トランプ大統領は1月18日に「Official Trump(TRUMP:トランプコイン)」を、メラニア・トランプ夫人は1月20日に「Melania Meme(MELANIA:メラニアコイン)」をそれぞれ発行。これらの仮想通貨はリリース直後に急激な価格上昇を見せ、市場の注目を集めた。

その裏でトランプ一族の仮想通貨人気に便乗し、その認知度を悪用する詐欺行為が横行しているのも事実だ。例えば、1月20日にSolana(ソラナ)ブロックチェーン上で発行された「BARRON」という偽コインは、トランプ大統領の息子バロン・トランプ氏の名前を装ったものだ。このコインはトランプ一族の知名度を利用して市場の注目を集め、短期間で7,200万ドルもの驚異的な時価総額を記録した。価格はその後急落し、多くの投資家が損失を被った。

さらに、オンチェーンデータ分析を行う「Global Ledger(グローバルレッジャー)」が22日に発表したレポートによると、トランプコインの注目度を利用した「パンプ・アンド・ダンプ詐欺」が行われていたことが明らかになった。

この詐欺の具体的な手口は、詐欺師たちがトランプ大統領と関連があると見せかけたウォレットに価値のない仮想通貨を送金し、「トランプ陣営の動き」と誤解させるものだ。投資家が仮想通貨を購入して価格を吊り上げると、詐欺師たちはそのタイミングで売り抜けするというものだ。この手法により、詐欺師らはわずか1週間で総額8億5,750万ドル以上の不正利益を得たとされている。

今後も仮想通貨投資家は、市場での流行を悪用した巧妙な詐欺を自身の目で見極めていかなければならない。流行りに踊らされるのではなく、一度公式情報をチェックするといった慎重な投資判断が必要となってくるだろう。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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