ギリシャの国家経済・財務省は7日、暗号資産(仮想通貨)の課税ルールを盛り込んだ法案を公表し、意見公募を始めた。個人が暗号資産を売って得た譲渡益に10%の税率を適用し、年500ユーロ(約8.9万円)までの譲渡益は課税しない。同省は、暗号資産の課税の扱いにあった法律の空白を埋めるとしている。
ギリシャの暗号資産課税案、譲渡益は10%で暗号資産どうしの交換は非課税
同省の発表によると、譲渡益は原則として取得価格と譲渡価格の差で計算する。続けて買った場合は、平均取得価格を使う。暗号資産を別の暗号資産と交換しただけでは、課税対象の譲渡益は生じない。暗号資産の貸し出しや流動性の提供、ステーキングで得た利回りは、利子として10%で課税する。
従業員や株主などに暗号資産を現物で給付した場合は、取得時点のユーロ建ての価値で評価する。相続や贈与では、暗号資産を国外にある無形の動産として扱う。
暗号資産の売却には、デジタル取引税を課さない。法律の公布から12カ月以内であれば、過去の取引で得た譲渡益を、罰金や利息なしで自主的に申告できる仕組みも設ける。
法案は、債務者の保護や債権回収会社の監督強化を柱とし、暗号資産の課税はその一部にあたる。意見公募は22日10時(現地時間)までで、同省は11月の第1週に国会での可決を目指すとしている。
ギリシャと日本の暗号資産課税、日本の分離課税は金商法改正の施行が前提
日本では現在、個人が暗号資産の取引で得た利益は原則として雑所得となり、給与などと合算する総合課税で、所得税と住民税を合わせて最大55%が課される。暗号資産どうしの交換も、手放した暗号資産の譲渡として所得を計算する。
| 項目 | ギリシャ(法案) | 日本(現行) | 日本(改正後) |
|---|---|---|---|
| 課税方式・税率 | 譲渡益に一律10% | 雑所得として総合課税、最大55% | 特定暗号資産を国内の業者を通じて譲渡した場合、20%の申告分離課税 |
| 暗号資産どうしの交換 | 課税しない | 譲渡として課税 | ― |
| 非課税枠 | 譲渡益は年500ユーロまで非課税 | 暗号資産に限った非課税枠はない | ― |
| 損失の繰り越し | ― | できない | 3年間の繰越控除 |
| 適用時期 | 11月第1週の可決を目指す | ― | 改正金商法の施行日の翌年1月1日以後の譲渡から |
日本の20%の申告分離課税は、3月31日に公布された改正所得税法などで導入が決まった。対象は「特定暗号資産」を国内の登録業者を通じて譲渡した場合などに限られ、海外の取引所や分散型取引所(DEX)での取引は対象外となる見込みだ。
適用は、暗号資産を金融商品取引法の規制対象に移す改正法の施行が前提となる。改正法は7月15日に成立し、23日に公布された。暗号資産の規制の見直しに関する規定は、公布から1年以内に政令で定める日に施行される。分離課税は、その施行日の属する年の翌年1月1日以後の譲渡から適用される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ユーロ=177.42円)
