グレースケールが初のXRP投資信託設立を発表、ETF承認への布石か

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目次

仮想通貨投資は新たなステージへ、XRP ETFへの期待高まりXRP価格は8%上昇

米国の大手仮想通貨資産運用会社グレースケール社は12日、米国で初めてのXRP投資信託の設立を発表し、仮想通貨市場に新たな期待をもたらした。 XRPは、リップル社が提供する国際送金システム「XRP Ledger」で使用される仮想通貨だ。

当社の公式Xで、「この投資信託は「クローズドエンド型」ファンドとして設計され、適格投資家にXRPへの直接投資機会を提供する」と述べた。

私たちは、私募を通じて利用できる新しい単一資産の仮想通貨ファンド、グレースケールXRP投資信託 の設立を発表できることを誇りに思います。 適格認定投資家が利用できます。

今回の発表を受け、XRP価格は一時8%上昇し、3週間ぶりの高値となる0.588ドルを記録した。 

仮想通貨投資家にとって、今回のXRP投資信託の設立は、以下の重要なポイントから、大きな関心を集めている。

  • ETFへの発展の可能性: グレースケールは過去に、ビットコインとイーサリアムの投資信託をETFに転換した実績があり、今回のXRP投資信託についても同様の道筋を辿る可能性がある。 同社はXRP投資信託の製品ライフサイクルを4段階で公開しており、将来的にETFへ転換する可能性を示唆している。
  • XRPの将来性への期待: XRPは時価総額で5位の仮想通貨であり、グレースケールは、XRPが国際決済を円滑にし、進化する世界経済の効率性を高めると評価している。 グレースケールのプロダクト・リサーチ責任者であるシャリフ・アスカリ氏は、「XRPは従来の金融インフラを変革する可能性がある」と述べ、この投資信託の重要性を強調した。
  • SECの動向: 米国証券取引委員会(SEC)は、これまでビットコインとイーサリアム関連のETFを承認している。 そのため、XRPコミュニティでは、今回のグレースケールによるXRP投資信託の設立が、SECによるXRP ETFの承認につながるのではないかとの期待が高まっている。

グレースケールは以前XRP投資信託を販売していたが、2021年にSECがリップル社に対して提起した訴訟を受け、XRP投資信託を廃止したいきさつがある。この訴訟は、リップル社が未登録証券であるXRPを販売したとしてSECが訴えたことに端を発している。その結果、XRPの市場流通が不安定になり、グレースケールを含む複数の金融機関や取引所はXRPの取り扱いを中止・制限した。グレースケールは当時、XRP投資信託を清算し、投資家に払い戻しを行った。

今回のXRP投資信託設立の発表は、以前廃止されたXRP投資信託の再出発としても捉えられる。この背景を踏まえると、今回のニュースは、XRPが再び投資市場において重要な位置を占める期待感をもたらすものだ。

一方で、XRPのETF化には課題も残る。リップル社とSECの間で続く法的争いが、規制上の不確実性をもたらしている。2023年の部分的な判決では、XRPの機関投資家向け販売は証券とみなされる一方、二次市場での個人投資家向け販売は証券とみなされないとの判断が下された。SECは上訴する可能性が高い。 

専門家の間では、XRP ETFの承認には、SECの姿勢の変化や、デジタル資産の多くが証券ではないことを明確にする法改正が必要との見方が出ている。

仮想通貨ニュースサイトBitcoinistによると、市場専門家のドクター・プロフィットは、4〜8ヶ月以内に最初のスポットXRP ETFが登場する可能性があると予測している。これが実現すれば、ビットコインETF承認後に新高値を記録したように、XRP価格にも大きな影響を与える可能性がある。

XRPは現在、0.54ドルで取引されているが、SECによるリップル社への訴訟が起こる前の2018年には、過去最高値となる3.84ドルを記録している。 今後のXRPの価格動向は、SECの動向や市場環境に左右される可能性が高い。

グレースケールのXRP投資信託設立は、仮想通貨市場全体にとって重要な一歩となる可能性がある。機関投資家の関心を高め、より多様な投資商品の開発を促進し、クロスボーダー決済におけるブロックチェーン技術の実用化を加速させることが期待される。

今後、SECの対応や規制環境の変化、そして他の資産運用会社の動向が注目される。XRP投資信託の設立は、仮想通貨市場の成熟と主流化への重要なステップとなる可能性を秘めている。

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参照ソースグレースケール公式X/Bitcoinist
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この記事を書いた人

中井 純、工学博士
AIは30年以上、web3(仮想通貨)は3年以上フォロー。web3x生成AIには早くから注目し、ビジネスチャンスを研究。東大応用物理学科卒業後、ソニー研究所にて、CD、AIなどの研究開発に従事。MITの電子工学博士取得後、外資系社長を歴任。最近はハイテク・スタートアップの資金調達支援を手がけるかたわら、自らweb3x生成AIのライターとして活躍。技術的なことも分かりやすく、ユーザー目線で解説することが得意です。著書2冊。

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