イーサリアム投資戦略の詳細—DeFi利回り8-14%の仕組みと将来性
米国のデジタルメディア・エンターテイメント企業「GameSquare Holdings, Inc.(ゲームスクエア)」は8日、公募増資における普通株式の発行価格を発表した。この公募増資はイーサリアム(ETH)財務戦略の開始を目的としたものとなっている。また、同社はすでに取締役会で最大1億ドル(約147億円)の資産配分が承認されており、今後段階的にイーサリアム購入を実施していく方針も明らかとなった。
今回の公募増資では、総発行数8,421,054株を1株あたり0.95ドルでの販売が予定されている。ゲームスクエアは引受割引や手数料など諸経費控除前の調達総額が約800万ドル(約11.7億円)に達すると見込んでおり、その調達資金の大部分をイーサリアム財務戦略のために活用する方針を明らかにしている。
同社は7月1日、仮想通貨に特化した資産運用企業「Dialectic(ダイアレクティック)」との業務提携を発表し、仮想通貨分野での戦略的アプローチを強化。ダイアレクティック創設者ライアン・ザラー氏に加え、機関投資家市場に精通するGoff Capitalのライドン・リー氏を諮問委員会に迎え入れ、専門知見を活かした財務運用体制の構築に注力している状況だ。
ゲームスクエアは新たな戦略の中核として、ダイアレクティックが提供する独自プラットフォーム「Medici(メディチ)」によるイーサリアム利回り生成戦略を据えている。同社はこの戦略を通じて、市場平均の3〜4%を大きく上回る、8〜14%の利回り獲得を目指す方針を明らかにした。こうした強気な数字を掲げている点からも、同社がイーサリアムの将来性を高く評価していることがうかがえる。
ゲームスクエアCEOのジャスティン・ケナ氏は今回の発表に際し、「真のオンチェーン利回りを生成すると同時に、DeFi(分散型金融)に対する理解を深め、新たな収益機会を獲得しながらバランスシートを強化する」とコメント。加えて、イーサリアム財務戦略が自社の資金繰りをより柔軟にし、自社株の買い戻しや新プロジェクトへの投資などへの明確な資金配分を可能にすると強調した。
イーサリアムを財務戦略に据える企業は直近で拡大しつつある。ゲームスクエアと同じく8日には、米ナスダック上場企業「Bit Digital(ビットデジタル)」が財務資産をイーサリアムへ転換したことを発表。同社は保有していたビットコイン全てを売却し、約1.72億ドルの調達資金と合わせて約10万 ETHを購入したと発表しており、完全にイーサリアムを軸に据えた財務戦略へシフトした形だ。
今回のゲームスクエアの発表は、企業が単なる保有にとどまらず、保有資産を活用したアクティブな財務戦略に乗り出す新たな潮流を示している。今後、イーサリアムの価格動向やDeFi市場の成長が、ゲームスクエアをはじめとした企業によるイーサリアム財務戦略の動きをより加速させる可能性に期待したい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.16円)