分散型取引所edgeX(エッジエックス)は12日、現物取引機能のベータ版を公開した。これにより、同プラットフォーム上で現物資産を用いた入出金および現物取引が可能となった。
パーペチュアル特化から総合型DEXへの第一歩
今回のベータ版では、イーサリアムが初のネイティブ対応資産として採用された。ユーザーはイーサリアムの入金、出金、そして現物取引を、edgeXのWebアプリおよびモバイルアプリの双方から試すことができる。
edgeXはもともと、パーペチュアル(無期限先物)取引に特化した分散型取引所として知られてきたが、2025年11月には予測市場への参入を発表し、プロダクトの多角化を進めている。今回の現物取引機能の追加は、そうした事業領域拡大の流れの中で位置付けられる。
現物取引の拡充は、オンチェーン上で中央集権型取引所(CEX)と同様の利便性を実現するための重要なステップといえる。パーペチュアル取引、予測市場、現物取引といった複数の金融プロダクトを一体で提供することで、edgeXは総合的な分散型金融プラットフォームとしての地位確立を狙っているとみられる。
現物取引基盤の整備が進んだことで、edgeXのミームコイン「MARU」(Hyperliquidにおける「PURR」に相当)や、edgeX独自トークン「EDGE」が上場される可能性が高まった。
こうした観測を裏付けるデータとして、大手予測市場のポリマーケットでは、2025年中にedgeXの独自トークンがリリースされる確率が69%と評価されている。現物取引は自社トークンの流通や価格形成に不可欠であり、今回のベータ公開はトークン上場に向けた重要な準備段階と捉えることもできそうだ。

edgeXは今回のベータ版を通じてユーザーからのフィードバックを収集し、取引体験やシステムの安定性を改善していく方針としている。
パーペチュアル取引、予測市場、現物取引を一体で提供する試みは、ユーザーの資産回転率や滞在時間を高める効果が期待できる。一方で、複数の市場を展開する中で十分な流動性をどう確保するかが、今後の成否を左右するだろう。
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