エコシステム内で機能するユーティリティトークン
NFTコレクション「Doodles(ドゥードゥルズ)」は14日、独自トークン「DOOD」を発行すると発表した。総発行量は100億枚で、コミュニティ還元を重視した配分が行われる。
ドゥードゥルズは、カラフルでポップなビジュアルが特徴のNFTコレクション。これまで企業タイアップやエンターテインメント展開を進めてきたが、今回のトークン発行を機に、クリプトネイティブな方向へと本格シフトする姿勢を明確にした。
ドゥードゥルズが独自トークン「DOOD」を発行すると聞いて、正直「やるではないか」と感じた。NFT単体ではやや停滞感があり、二次流通も落ち込む中、「トークンを出してコミュニティを盛り上げる」という施策は一種の博打といえる。だが、当たれば大きなブレイクスルーとなるだろう。
発行チェーンと展開予定
ドゥードゥルズといえばEthereum(イーサリアム)上のNFTという印象が強いが、トークンの初期発行はSolana(ソラナ)で行われ、将来的にはBase(ベース)へブリッジする予定だ。取引手数料の低さ、高速処理を理由にソラナを選択したという。さらに、Bonk(ボンク)をはじめとするミームコイン文化の広がりも考慮された可能性がある。
DOODの目的と役割
DOODは単なるミームコインではなく、エコシステム内で機能するユーティリティトークンとして設計されている。具体的には、参加型アートやゲームアプリの基盤通貨としての利用や、コミュニティ投票への活用が計画されている。
トークンの配分は以下のとおり。
- コミュニティ(既存ホルダー):30%
- エコシステム基金:25%
- 新規参加者:13%
- チーム:17%(一定期間ロック&ベスティング)
- 流動性:10%
- 会社(リザーブ):5%
この配分からも、NFTホルダーへの価値還元を重視する方針が見て取れる。
CEO交代と戦略転換
1月29日、Burnt Toast(バーント・トースト)ことスコット・マーティン氏がCEOに就任。アニメーションスタジオ「Golden Wolf(ゴールデン・ウルフ)」のディレクターを務め、ドゥードゥルズのクリエイターとしても知られる。
就任にあたり、「ドゥードゥルズの搾取的な企業時代は終わった」と宣言し、クリプトネイティブなアプローチに大きく舵を切る方針を示した。これまでの方向性を「布団効果(futon effect)」と表現し、「大衆向けブランド展開とクリプトネイティブな要素の両方を取り入れようとした結果、中途半端な立ち位置になった」と指摘した。今回のトークン発行は、この「迷い」を断ち切る決断でもある。
NFT市場への影響
DOOD発表直後、Doodles NFT(ドゥードゥルズNFT)の取引量は急増し、24時間で2,940 ETH(約800万ドル相当)を記録。前日比400%以上の上昇を見せた。
NFT発の独自トークン発行はトレンドとなりつつあり、「Pudgy Penguins(パジー・ペンギン)」や「Azuki(アズキ)」などのプロジェクトも同様の動きを見せている。
今後、ベースへのブリッジや、Flow(フロウ)チェーン上に展開される「Doodles 2(ドゥードゥルズ2)」との相互運用など、ドゥードゥルズのマルチチェーン戦略がどのように展開されるのか注目される。DOODが短期の投機対象で終わるのか、長期的な価値を持つエコシステムの核となるのか、その行方を見守りたい。
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