米上場企業「DDC」、最大5.2億ドル調達へ──ビットコイン保有戦略を本格化

JinaCoin編集部
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3年間で5,000 BTCの保有を目指す

米ニューヨーク証券取引所に上場する「DDC Enterprise Limited(DDCエンタープライズ・リミテッド、以下DDC)」は17日、最大5億2,800万ドル(約764億円)の資金調達に関する契約を締結したと発表した。調達された資金の大半は、ビットコイン(BTC)保有量の拡大に充てられる。

発表によると、これはニューヨーク証券取引所に上場する企業としては過去最大級の単一目的でのビットコイン資金調達となる。

今回の資金調達は、以下の三つの主要な枠組みに分かれている。

  • PIPE投資(2,600万ドル、約37億6,610万円)
    「Animoca Brands(アニモカ・ブランズ)」、「Kenetic Capital(ケネティック・キャピタル)」、「QCP Capital(QCPキャピタル)」、「Origin Protocol(オリジン・プロトコル)」共同創業者マシュー・リウ氏などの投資家と契約を締結。DDCは平均10.3ドルで最大243万5,169株のクラスA普通株式を発行予定で、180日間の売却制限が課される。
  • 転換社債および株式私募(合計3億ドル、約434億5,500万円)
    「Anson Funds(アンサーン・ファンズ)」との契約により、無利息で満期24ヶ月の転換社債を発行。初回は2,500万ドルで、最大2億7,500万ドルまでの追加発行が可能。加えて、同ファンドは30万7,693株を200万ドルで取得する。
  • エクイティ・ライン・オブ・クレジット(2億ドル、約289億7,000万円)
    同じくアンサーン・ファンズとの間で、将来的な資本アクセスに柔軟性を持たせる枠組みを設定。今後の登録完了を条件に、DDCは市場状況に応じて柔軟にビットコイン購入資金を確保できる。

DDCはこれまで、アジア系食品ブランドを展開するフードプラットフォームとして、「DayDayCook(デイデイクック)」、「Nona Lim(ノナ・リム)」、「Yai’s Thai(ヤイズ・タイ)」などを運営してきたが、2025年5月に新たに「ビットコイン・トレジャリー」事業を立ち上げた。事業開始と同時に100 BTCを購入し、今後6か月以内に500 BTC、3年以内には5,000 BTCの蓄積を目標として掲げている。

近年では、「Metaplanet(メタプラネット)」のように本業とは異なるビットコイン投資によって企業価値を急上昇させた事例が現れている。同社はもともとホテル事業を手がけていたが、ビットコインへの投資集中により株価は急騰し、時価総額は1兆円を突破した。DDCの戦略もこの流れに乗る形といえ、暗号資産(仮想通貨)が企業評価を左右する時代の象徴的な事例となっている。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.85円)

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