ビットコインに大口資金戻るも、価格下落で運用残高は低水準
資産運用会社「CoinShares(コインシェアーズ)」は31日、暗号資産(仮想通貨)の上場取引型金融商品(ETP)に関する週間レポートを公開した。レポートによると、仮想通貨ETPは先週、2億2,600万ドル(約339億円)の資金流入が発生した。
この動きは、過去最大規模の資金流出が続いた後の反転兆候と見られ、9営業日連続で資金流入が記録された。ただし、金曜日(3月29日)には7,400万ドル(約111億円)の一時的な資金流出も発生している。コインシェアーズのリサーチ部門責任者ジェームズ・バターフィル氏は、この要因は米国の個人消費支出(PCE)コア指数が市場予想を上回り、米連邦準備制度(FRB)のタカ派姿勢が続く可能性が意識されたためと分析している。
地域別の動向
- 米国:2億400万ドル(約306億円)の流入(最大)
- スイス:1,470万ドル(約22億円)
- ドイツ:920万ドル(約13億円)
- 香港:210万ドル(約3.1億円)の流出
- ブラジル:130万ドル(約1.9億円)の流出
銘柄別の動向
- ビットコイン:1億9,500万ドル(約292億円)の流入
一方で、価格下落の影響でETPにおけるビットコインの運用資産残高は1,140億ドル(約17兆円)に減少し、2020年米大統領選直後以来の水準となっている。 - アルトコイン:
4週間連続の資金流出(合計17億ドル)に歯止めがかかり、今回は3,300万ドル(約49億円)の資金流入を記録。
主な内訳は以下の通り- イーサリアム:1,450万ドル(約21億円)
- ソラナ:780万ドル(約11億円)
- XRP:480万ドル(約7億円)
今回のデータからは、投資家が依然として慎重な姿勢を保ちながらも、仮想通貨市場への関心を取り戻しつつある様子がうかがえる。特にアルトコインへの資金再流入は、リスク選好の回復と見られ、今後の価格動向やマクロ経済要因との兼ね合いが引き続き注目される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.06円)