記録的な資金流出、2015年以来の最長期間に
資産運用会社「CoinShares(コインシェアーズ)」は17日、暗号資産(仮想通貨)の上場取引型金融商品(ETP)に関する週間レポートを公開した。レポートによると、仮想通貨ETPは先週、約16.8億ドル(約2,492億円)の資金流出が発生した。資金流出は5週連続で発生しており、過去5週間の合計流出額は64億ドル(約9,568億円)に達した。
レポート発行時点で17日連続の資金流出が発生しており、これはコインシェアーズによる記録が始まった2015年以来、最長の流出期間となる。
市場全体にネガティブなセンチメントが広がっているにもかかわらず、年初来の流入は9億1,200万ドル(約1,363億円)とプラスを維持している。価格調整と資金流出の影響で、運用資産総額(AuM)は480億ドル(約7.1兆円)減少した。
地域別では、米国が最も大きな影響を受けており、直近1週間の流出額は11億6,000万ドル(約1,734億円)だった。また、過去5週間の合計流出額の93%が米国から発生している。スイスも5億2,800万ドル(約789億円)の流出を記録しており、これはシード投資家の撤退によるものとされる。一方、ドイツでは800万ドル(約11億円)の小規模な流入が確認された。
銘柄別では、ビットコインは過去5週間で54億ドル(約8,073億円)の流出を記録し、直近1週間でも9億7,800万ドル(約1,462億円)が流出している。年初来では6億1,200万ドル(約914億円)の流入が維持されているが、依然として売り圧力が強い状況が続いている。また、ビットコインをショートする商品も360万ドル(約5.3億円)の流出が発生しており、弱気相場が継続していることを示唆している。
イーサリアムは1億7,500万ドル(約261億円)、ソラナは220万ドル(約3.2億円)の流出を記録した。一方で、XRPは1週間で180万ドル(約2.6億円)の流入があり、他の主要仮想通貨と対照的な動きを見せている。
ブロックチェーン関連株も先週、4,000万ドル(約59億円)の流出を記録した。
仮想通貨市場は現在、大きな資金流出の局面にあるが、こうした調整局面は市場の健全性を保つために必要不可欠である。特に機関投資家の動向が市場の流れを左右するため、今後のセンチメントの転換点を見極めることが重要だ。投資家は短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点で市場を分析することが求められる。
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