- Arbitrum Layer 2ネットワーク上に構築された分散型取引所(DEX)Chronos(クロノス)を解説
- Chronos(クロノス)のchrNFTについて解説
- Chronosには、交換(Swap)、流動性提供、Bribingといったサービスがある
分散型取引所(DEX)「Chronos(クロノス)」の特徴

名称 | Chronos(クロノス) |
対応チェーン | Arbitrum |
対応ウォレット | MetaMask(メタマスク)、Coinbase Wallet(コインベースウォレット)、WalletConnect(ウォレットコネクト)、Rabby(ラビー)、Rainbow(レインボー)、Trust Wallet(トラストウォレット)、Ledger Live(レジャーライブ) |
モバイルアプリ | なし |
登録方法 | ウォレットの接続のみ |
日本語対応 | なし |
公式サイト | https://chronos.exchange/ |
公式Twitter | https://x.com/ChronosFi_ |
公式Discord | https://discord.com/invite/gTzrsdWgwD |
公式Telegram | https://t.me/chronosfinance |
Chronos(クロノス)はArbitrumチェーン上に構築されたDEX(分散型取引所)です。2023年3月ごろから本格的に稼働しており、ve(3,3)モデルと呼ばれる独自モデルを採用していることから、世界中のユーザーに注目されている新規プロジェクトとなっています。
ArbitrumはEthereum(イーサリアム)チェーンの課題であった処理の遅延、ガス代の高騰を解決するために開発されたプロジェクトのことです。イーサリアムチェーンと比較して、Arbitrumチェーンではガス代が約4分の1まで減少しています。
クロノスは様々なサービスを提供しており、仮想通貨の交換(Swap)や流動性提供はもちろんのこと、一定期間仮想通貨を預け入れることで高い報酬を得ることができる「Lock」、1週間で貯まったBribeや取引手数料をVoterで配分する「Vote」といった様々なサービスがあります。
Brideとは、ユーザー自身がVoterへ支払う報酬のことを指します。寄付金や募金といったイメージを持つとよいでしょう。
Chronos(クロノス)のchrNFTについて
クロノスでは、chrNFTと呼ばれる5,555個のNFTを発行しています。chrNFTをmint、又は保有することで、ホルダーは以下の恩恵を得ることができます。
- 取引手数料を受け取ることができる。
- chrNFTが転売された時にロイヤルティを受け取ることができる。
- エアドロップとして独自トークンである「CHR」、「veCHR」を受け取ることができる。
独自トークンの「CHR」、「veCHR」の違いは後述します。また、chrNFTはセールやmintのタイミングによって価格が異なります。以下をご参照ください。
- Private sale:0.30 ETH
- Whitelisted mint:0.325 ETH
- Public mint:0.35 ETH
chrNFTが上記の価格より高い価格で取引されていれば、その分多くの利益を得ることが可能となります。また、クロノスのプロジェクトチームがchrNFTのSaleやMintで回収した資金のうち、60%は独自トークンCHRの流動性やプロジェクト資金に充てられ、残りの40%は継続的な開発、マーケティング、監査、設計等に充てられます。
このように、chrCFTはユーザーの利益だけでなく、プロジェクトの運営・開発推進にも貢献しており、クロノスにとっての根幹としての役割を果たすことが分かります。
また、2次流通のchrNFTについては、2次流通のプラットフォームである「TOFUNFT」で購入することができます。クロノスの公式サイトのトップページにある「CHRNFT→」ボタンをタップすることで、取引ページに移動することができます。

Chronos(クロノス)を使うための事前準備
クロノスを使うためには、以下の準備を済ませる必要があります。
- Arbitrumチェーンに対応したウォレットを作成する
- 上記ウォレットに仮想通貨を送金する
Chronos(クロノス)を使うための事前準備
この記事ではMetaMask(メタマスク)をウォレットとして使用します。まずはメタマスクをArbitrumチェーンに対応させる必要があります。
メタマスクのネットワーク切り替え方法を解説【PC&スマホ】
PC・ブラウザ版MetaMaskの使い方|登録から入金、送金方法まで解説
メタマスクをArbitrumチェーンに対応させることができたら、次にウォレットへ仮想通貨を送金します。Arbitrumチェーンではガス代としてイーサリアムが使われるため、送金する仮想通貨の中に必ずイーサリアムを含める必要があります。なお、メタマスクへ仮想通貨を送金する方法については、「メタマスクへイーサリアムを送金する方法」の記事を参照しましょう。
また、メタマスクを扱う上でセキュリティには十分に気を付ける必要があります。最悪ウォレット内の仮想通貨をすべて失ってしまう可能性があるため、ハッキング等のリスクをあらかじめ認識したうえで取り扱うようにしましょう。
メタマスクのシークレットリカバリーフレーズとは?表示方法や使い方・保管法などについて解説
メタマスクの秘密鍵とは?エクスポート、インポートのやり方を解説
メタマスクへ仮想通貨を送金するための取引所(国内&海外)下記がおすすめです。
おすすめ国内仮想通貨取引所
- GMOコイン
GMOコインは、手数料の安さと取扱銘柄の豊富さで定評のある国内取引所です。特に仮想通貨の送金手数料が無料であるため、海外仮想通貨取引所やMetaMask(メタマスク)などへの送金におすすめです。 - コインチェック
コインチェックは国内でもトップクラスのユーザー数を持つ仮想通貨取引所です。仮想通貨の売買手数料が無料で、積立やレンディングなど豊富なサービスを提供しています。特にスマホアプリの操作性やデザインが高評価で、仮想通貨初心者におすすめの取引所です。 - bitFlyer
bitFlyerは、国内最大級のビットコイン取引量を誇る国内取引所です。ビットコインが貯まるクレジットカードや、Vポイント(旧Tポイント)をビットコインに交換できるサービスが評判です。さらに、少額から仮想通貨を手数料無料で購入できる点も魅力です。
国内取引所は、トラベルルールの影響で海外取引所との送金が制限される場合があります。そんなときは、メタマスクなどのプライベートウォレットを経由すれば問題ありません。
おすすめ仮想通貨取引所
Chronos(クロノス)の使い方(Swap)
クロノス上でSwap(交換)を行う手順を解説します。
Swap(交換)を行う方法
メタマスクにログインし、ネットワークをArbitrum Oneに切り替えたうえで、画面右下の「ブラウザ」をタップします。移動先のページで「Chnonos Exchange」へアクセスします。この時、Safariといったブラウザを使ってしまうと適切にウォレットをクロノスに接続できないため、必ずメタマスクのブラウザでアクセスするようにしましょう。

クロノスのトップページ中央の「DEX」をタップし、画面右上の「Connect Wallet」をタップします。ポップアップ画面で「MetaMask」を選択し、接続を許可すると接続が完了します。

ウォレットの接続が完了するとSwap画面が表示されるため、上側に交換する仮想通貨、下側に交換先の仮想通貨が来るように選択します。交換する仮想通貨の数量を入力すると、交換先の仮想通貨の数量が自動算出されます。内容に問題なければ、画面下部の「SWAP NOW」をタップしましょう。

Swapにかかる費用がポップアップで表示されるため、内容に問題がない事を確認した上で「確認」ボタンをタップすると、Swapが実行されます。

クロノスはArbitrumチェーン上のDEXであるため、ガス代が安く、かつ高速にSwapを完了させることができます。
Chnoros(クロノス)の使い方(流動性提供)
続いて、クロノス上で流動性を提供する手順を解説します。
流動性を提供する方法
画面上部の三本線をタップし、上から2番目の「Liquidity」をタップします。移動後の画面で流動性を提供したいトークンのペアを探し、画面右側にある「Manage」ボタンをタップしましょう。

移動後の画面で各仮想通貨のDeposit量を入力します。なお、片方の数量を入力するともう一方が自動計算されます。入力内容を確認後、画面下部にある「Deposit LP」ボタンをタップするとトランズアクションが開始されます。ガス代に関するポップアップ表示で全て「確認」ボタンをタップすると、流動性提供が完了します。

クロノスの流動性提供の大きな特徴の1つとして、期間が長くなるほど、得られるリターンが大きくなることが挙げられます。以下の倍率で得られるリターンが増えていきます。
流動性を提供する期間 | 収益の倍率 |
---|---|
~7日目 | 1.0倍 |
8日目~14日目 | 1.2倍 |
15日目~21日目 | 1.4倍 |
22日目~28日目 | 1.6倍 |
29日目~35日目 | 1.8倍 |
36日目~ | 2.0倍 |
流動性を解除する方法

流動性提供と同じページ内で流動性を解除することができます。流動性を解除したい仮想通貨ペアのページで「Withdraw」タブを開き、画面中央の「MAX」をタップします。そして画面下部の「Withdraw LPs」ボタンをタップすると、流動性解除のトランズアクションが進められます。
Chronos(クロノス)の使い方(Lock)
クロノスでは、独自トークンである「CHR」を一定期間Lockすることで、別の独自トークンである「veCHR」を受け取ることができます。CHRとveCHRの違いは以下の通りです。
CHRとveCHRの違い
CHR:
クロノスの主要なトークンで、流動性提供のインセンティブとしての役割を持つ。プロジェクト開始時には5,000万のトークンが排出されており、現在もなおトークンの数量は増加している。クロノスでは、「ERC-20ユーティリティトークン」と説明されている。
veCHR:
chrNFTの採掘者、所有者へのインセンティブ、CHRを一定期間Lockすることで得られるインセンティブとして支払われるトークン。クロノスでは、「ERC-721の代替不可能なガバナンストークン」と説明されている。
veCHRを保有することで、流動性ペアの投票権を得ることができます。クロノスでの投票は、1週間に貯められた寄付金や取引手数料の分配割合を決めるために実施されます。つまり、取引が盛んな流動性ペアに投票することで、多くのインセンティブを得ることができます。
veCHRを多く保有するほど自身が投票できる回数が増えるため、より多くのインセンティブを得るためには、多くのCHRを可能な限り長期間Lockする必要があります。資金に余裕がある方は、積極的に活用してみることをオススメします。
CHRをLockする方法
Lockの手順は以下の通りです。

画面上部の三本線をタップし上から3番目の「Lock」をタップし、その後の画面で「Create Lcok」をタップします。そして、移動後の画面でLockするCHRの数量、期間を入力・選択します。なお、Lockする期間は以下の5つのいずれかとなります。
- 2週間
- 1か月
- 6か月
- 1年
- 2年
一度Lockしてしまうと期間の短縮ができないため、自身のリスク許容度の範囲内で設定するようにしましょう。入力・選択が完了したら、画面下部の「LOCK」ボタンをタップすると、CHRのLockが開始されます。
寄付金や取引手数料が蓄積される期間を「エポック」といいます。1エポックは1週間に相当し、エポック1で発生した寄付金や取引手数料のインセンティブは、エポック3終了時(次々回のエポック終了時)に一括で請求できます。
Chronos(クロノス)の使い方(Vote)
Voteとは、日本語で「投票」を意味する英単語です。クロノスでは、1週間で蓄積された寄付金や取引手数料を投票によって得られた得票率に応じて分配します。ペアAの寄付金、取引手数料の総額が10万ドルで、総投票数が10、そのうち自身が投票した数が1の場合、報酬として1万ドルをうけとることができます。
上記の例のように、報酬金が高く、投票数が少ないペアに投票することで、クロノス上で多くの収益を得ることができるようになります。Voteを頻繁にチェックして、お宝のペアを探してみてはいかがでしょうか。
ここからは、Voteへの参加手順について解説します。
Voteへの参加方法
「Chronos(クロノス)の使い方(Lock)」を参考にCHRをLockし、veCHRを取得しましょう。なお、veCHRはCHRをLockした瞬間から取得することができます。そのため、STEP1が完了したらすぐにSTEP2へ移行することが可能です。

画面上部の三本線をタップし、上から4番目の「Vote」をタップします。移動後の画面に表示される「Select your veCHR NFT」をタップし、投票に使用するveCHRを選択します。

投票したい流動性ペアを探し、画面右側で投票するveCHRの割合を入力します。割合の合計が100%に到達すると、画面右下の「Cast Votes」ボタンがタップできるようになるため、そのボタンをタップすると投票のためのトランズアクションが行われます。しばらく待つと投票が完了します。

なお、エポック終了前1時間を除いて、いつでも投票を変更またはリセットすることが可能です。そのため、間違って異なるペアに投票しても時間内に投票先を変更すれば問題ありません。
また、投票によって獲得した寄付金、取引手数料といったインセンティブは「Rewards」で受け取ることができます。画面上部の3本線をタップし、上から5番目の「Rewards」をタップしましょう。移動後の画面で投票に用いた「veCHR」を選択すると、インセンティブを受け取ることができます。
Chronos(クロノス)に関するよくある質問
使うことはできません。クロノスはArbitrumチェーン上にのみ構築されたDEXです。
現状ありません。MetaMask等のウォレットのブラウザからChronosの公式サイトへアクセスして利用しましょう。
Chronos等のDEXで得た収益は「雑所得」に該当し、年度末に確定申告をする必要があります。そのため、Chronosに限らず、仮想通貨で得た収益の記録は残しておくようにしましょう。
Chronosは日本語に対応しておらず、ウェブサイトはすべて英語で記載されています。そのため、各機能の基本的な使い方は本記事を読んで学習するようにしましょう。
慣れるまではUSDCやUSDTのようなステーブルコインのペアを選ぶのがいいでしょう。価格変動がほとんど起きないため、比較的小さいリスクで流動性提供を行うことができます。
まとめ
この記事では、Arbitrumチェーン上にローンチされたDEX(分散型取引所)であるクロノスの概要、使い方を解説しました。クロノスはchrNFTによって資金を調達しており、現在もなお様々なサービスを開発し続けています。特に「Vote」は他のDEXではあまり見られない独自のサービスの1つと言えるでしょう。
流動性提供以外で収益を得る経験を得たい方は、クロノスを利用してみてはいかがでしょうか。ただし、たくさんの収益を得るためには、多くのCHRを長期間Lockする必要があるため、必ず自身のリスク許容度の範囲内で利用するようにしましょう。