ビットコインをソラナエコシステムで活用するプロトコルZeus Network(ゼウス・ネットワーク)は13日、Solana Breakpoint 2025において、機関投資家水準のMPC(マルチパーティ計算)インフラの構築計画を発表した。ビットコインDeFiの採用拡大における課題であるカストディ問題の解決を目指す。
統合アプリで513 BTCをソラナDeFiに展開
ゼウス・ネットワークは、ビットコインをソラナ上でトークン化した「zBTC」を通じて、DeFi活用を推進してきた。同プロトコルによると、過去1年間で513 BTCがzBTC経由でソラナDeFiに投入され、レンディングやイールドファーミングなどに活用されている。
今回発表された統合型ゼウスアプリは、zBTCのミント、イールド獲得、ステーキング、デリゲーション報酬の管理を単一インターフェースで実現する。ユーザーは複数のプロトコルを横断することなく、一元的にビットコイン資産を運用できるようになる。
ゼウス・ネットワークは「新しいゼウスアプリの導入により、採用における課題が明らかになった」と説明し、ユーザー体験の簡素化が重要であることを強調した。
機関投資家水準MPCでBTCFi拡大を支援
今回の発表の核心は、機関投資家水準のMPCインフラ構築だ。ゼウス・ネットワークは「BTCFiは機関投資家水準のカストディなしではスケールできない」と指摘し、UTXOネイティブMPC技術の開発を進めている。
MPCは秘密鍵を複数の関係者で分散管理する技術で、単一障害点を排除しながら高いセキュリティを実現する。ゼウス・ネットワークのMPCインフラは、ビットコインおよびUTXO資産専用に設計され、ソラナを実行レイヤーとして利用する。
同プロトコルは「ゼウスは製品統合を超えて拡大している。MPCインフラと開発者向けツールに注力し、ソラナでのUTXOネイティブアプリケーションのスケーリングを強化する」と述べた。
Solana Breakpoint 2025での発表は、ゼウス・ネットワークがBTCFi(ビットコインファイナンス)市場で主導的地位を確立する戦略の一環と見られる。機関投資家の参入を促進することで、ビットコインのDeFi活用が本格化する可能性がある。
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