ビットコイン急落、77,000ドル台に|トランプ関税で市場にリスクオフ波及

伊藤 将史
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1月の最高値から30%下落、年初来安値を記録

7日、ビットコインは0時時点の82,497ドル(約1,201万円)から、一時77,300ドル(約1,125万円)まで下落した。これにより、円建てでは年初来最安値を更新している。

BTCUSD
出典:TradingView

4月2日、トランプ米大統領が新たな関税政策を発表したことを受けて、投資家の間でリスク回避目的の売りが続き、株式市場は全面安となっている。ビットコインもその影響を受け、リスクヘッジのために売られているとみられる。

4日には株式市場の主要指標であるNYダウが、前日比で2,200ドル超安と、史上3番目の下げ幅を記録。S&P500は3日と4日の2営業日で現物指数が約10%下落し、週明け7日には日経平均株価が前週末終値から一時2,900円超下落するなど、世界的なリスクオフの波が広がっている。

株式市場が全面安となり、世界恐慌の懸念が再燃するなかで、暗号資産(仮想通貨)相場も連動する形で大きく下落している。

仮想通貨ヒートマップ
出典:CoinMarketCap

過去24時間でビットコインは▼5.47%となったほか、イーサリアム(ETH)は▼11.63%、リップル(XRP)は▼10.15%。時価総額ランキングトップ100銘柄のうち、ステーブルコインを除くほとんどが▼5~15%の全面安となっている。

ビットコイン価格は2024年後半から上昇を続け、2025年1月20日には史上最高値となる10万9,000ドル(約1,587万円)に到達。その後、2月末のBybit(バイビット)ハッキング事件を契機に続落していた中で、今回のトランプ関税ショックが悲観的な相場に追い打ちをかける形となった。

なお、執筆時点では、ビットコイン価格は史上最高値(10万9,000ドル)から約30%の下落となっている。すでに最高値から大きく暴落しているが、過去にもビットコインは2021年11月に約69,000ドルで過去最高値を更新した後、「テラショック」や「FTX事件」を経て、2022年12月に16,300ドル(最高値から約76%下落)まで落ち込んだことがある。もちろん、今回も同様の展開になるとは限らないが、仮想通貨はボラティリティが極めて高く、どのような価格変動も起こり得るということを肝に銘じておこう。

トランプ関税が発表された後、EUや中国をはじめとした各国が相次いで報復関税を表明しており、貿易戦争による経済の混乱は収まる気配がない。仮想通貨市場も混乱する世界経済と無縁ではいられないため、しばらくは慎重な投資判断が求められそうだ。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.6円)

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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