バイナンスで大規模な資金流出の疑い、同社は調査中──テザー・サークルが凍結

バイナンスで大規模な資金流出の疑い、同社は調査中──テザー・サークルが凍結
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
水澤 誉往
6 Min Read
Highlights
  • バイナンスが30日、セキュリティ上の問題の可能性があるとの情報を把握し調査中と発表、出金は問題の解決後に再開する方針
  • テザーは15.67億USDT超、サークルは8億USDC超を凍結したと、それぞれの経営者がXに投稿
  • バイナンスは被害の有無や規模、原因を公表しておらず、利用者の資金は安全と説明

暗号資産(仮想通貨)取引所大手のバイナンスは30日、セキュリティ上の問題の可能性があるとの情報を把握し、調査していると公式Xで発表した。同社は利用者の資金は完全に安全だとしている。日本時間7時33分には、問題が完全に解決し次第、出金を再開すると投稿した。

バイナンスは調査中、出金はセキュリティ上の問題の解決後に再開

バイナンスは日本時間6時15分の最初の投稿で、セキュリティチームが関係する情報を急いで確認しており、確かめた情報は公式のチャネルで知らせるとした。利用者には、詐欺に注意し、非公式のリンクやメッセージ、アカウント情報を求める連絡を信用しないよう呼びかけた。

投稿はその後編集され、6時29分の版で利用者の資金は完全に安全との一文が加わった。

共同創業者のイー・ハー氏も6時17分に、情報を把握して調査していると書き込み、7時22分には、環境の安全が確認されるまで出金を停止していると投稿した。

バイナンスは7時33分の投稿で、チームがセキュリティの確認を進めていると説明し、出金はセキュリティ上の問題が完全に解決し次第、再開するとした。バイナンスは、出金をいつから止めているのか、どの範囲が対象かは示していない。

バイナンスは8時6分、セキュリティ対策の一環として、Binance Alpha(バイナンス・アルファ)の取引を一時停止したとも投稿した。現物ウォレットの資金を使う購入などが対象で、問題が解決すれば取引を再開するという。

イーサリアムETHETHの取引履歴を検索できるイーサスキャンは、同チェーン上の少なくとも15のアドレスに「Binance Hot Wallet Exploiter」(バイナンスのホットウォレットの攻撃者)というラベルを付けた(7時40分時点)。

イーサスキャンの記録では、日本時間30日5時24分、同サイトが「Binance 14」と表示するバイナンスのウォレットから「Binance Hot Wallet Exploiter 2」のアドレスへ、約16.2億USDTUSDTUSDTを含む63種類のトークンが1回の取引で移った記録がある。

同じ取引では、約16.7万ETHも同じアドレスへ送られた。

バイナンスは執筆時点で、被害の有無や規模、原因を公表していない。

テザーとサークルがステーブルコインを凍結、CZ氏はハッキングの見方

テザーのパオロ・アルドイーノ最高経営責任者(CEO)は6時25分、バイナンスのハッキングの可能性に関連して、15.67億USDT超(約2,474億円)を凍結したとXに投稿した。

サークルのジェレミー・アレールCEOは6時18分、バイナンスに関わる悪用の可能性について、法執行機関と連携して8億USDCUSDCUSDC超(約1,263億円)を凍結したと明らかにした。今後も調査に協力するという。

バイナンスは8時22分、凍結額について18億ドルなど異なる数字が出回っているとしたうえで、確認済みの凍結総額は25.4億ドル(約4,011億円)だと投稿した。法執行機関や発行体などと連携して追跡を続けており、額はさらに増える可能性があるという。

バイナンス創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏は6時15分、「バイナンスへのハッキングのように見える」と書き込み、テザーの約9.71億ドル(約1,533億円)とサークルの約8.23億ドル(約1,300億円)の凍結に謝意を示した。CZ氏が挙げたテザーの額は、その後にアルドイーノ氏が投稿した額を下回る。

CZ氏は、自身は現在バイナンス(.com)の経営に関わっていないとしたうえで、株主として利用者の資金はすべて補償されると期待すると述べた。

凍結はテザーとサークルにとどまらない。イー・ハー氏は7時22分の投稿で、World Liberty Financial(ワールド・リバティ・フィナンシャル)が2,700万USD1USD1USD1(約42.6億円)と4,800万WLFIWLFIWLFI(約200万ドル、約3.2億円)を凍結したことにも謝意を示した。

Paxos(パクソス)は7時56分、バイナンスにあったPAXGPAXGPAXGが攻撃者とみられるアドレスへ移されたとして、1,906.67 PAXGを凍結したと投稿した。

リップル社のステーブルコイン部門シニア・バイスプレジデント、ジャック・マクドナルド氏も7時8分、リップル社が攻撃者の保有するRLUSDRLUSDRLUSDを凍結しているとXに書き込んだ。

日本時間30日発信者内容
6時15分CZ氏ハッキングのように見えると投稿、テザー・サークルの凍結に謝意
6時15分バイナンス情報を把握し調査中と投稿(その後編集)
6時17分イー・ハー氏情報を把握し調査中と投稿
6時18分アレール氏(サークル)8億USDC超を凍結と投稿
6時25分アルドイーノ氏(テザー)15.67億USDT超を凍結と投稿
6時29分バイナンス投稿を編集し、利用者の資金は完全に安全と追記
7時8分マクドナルド氏(リップル社)リップル社が攻撃者のRLUSDを凍結中と投稿
7時22分イー・ハー氏出金を停止していると投稿
7時33分バイナンス出金は問題が完全に解決し次第再開と投稿
7時56分パクソス1,906.67 PAXGを凍結と投稿
8時6分バイナンスバイナンス・アルファの取引を一時停止と投稿
8時22分バイナンス確認済みの凍結総額は25.4億ドルと投稿
出典:各氏・各社のX投稿をもとにJinaCoin作成。時刻は投稿・編集の時刻(6時15分はCZ氏が先)

BNBは24時間で7.51%下落、国内のバイナンスジャパンは案内なし

JinaCoinの価格データによると、BNBBNBBNBは執筆時点(日本時間30日7時36分)で約11万559円と、24時間で7.51%下がった。ビットコインBTCBTCは執筆時点(8時37分)で約1,241万6,937円で、24時間の下落率は3.24%だった。

国内では、暗号資産交換業者として登録するBinance Japan株式会社(バイナンスジャパン)が、日本居住者向けにサービスを提供している。同社のお知らせページには、7時36分時点で本件についての案内は出ていない。

金融庁は2021年6月、無登録で暗号資産交換業を行う者として、バイナンスを運営するBinance Holdings Limitedに警告書を出した。2018年3月にも「Binance」に警告書を出している(金融庁が警告した無登録業者の一覧)。

バイナンスは、確かめた情報を公式のチャネルで知らせるとしている。

関連:仮想通貨の流出、狙われる委託先──JCBAが347項目の対策案

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.91円)

※30日、バイナンスによるバイナンス・アルファの取引停止(8時6分)と凍結総額(8時22分)の発表、パクソスとリップル社の凍結、Etherscanの送金の記録、ビットコインの価格を追記しました。

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株式会社jaybe 代表取締役。香川県三豊市出身。2010年4月、株式会社一誠社入社。2011年よりFX取引を開始。2016年3月30日、bitFlyer代表取締役社長・加納裕三氏が出演する動画で仮想通貨に興味を持ち、 1BTC価格47,180円で0.02BTCを購入したことが仮想通貨投資の始まり。2017年11月、仮想通貨投資で身に付けた知識・経験を活かし、自身初のブログ「次男坊の仮想通貨な日」を立ち上げ。2018年4月、JinaCoinの前身である「ジナキャッシュ」開設。2019年10月、収益の安定化に成功し、株式会社一誠社を退職、個人事業主として独立。2020年6月、事業拡大に伴い、株式会社jaybe(法人番号:7470001018079)を創業。 2023年、メディアの名称を「JinaCoin」に変更。月間15万PVを超える仮想通貨情報メディアに成長させる。現在は仮想通貨投資を行う傍ら、仮想通貨の普及活動やマーケットリサーチ等を行なっている。2024年6月、一般社団法人 日本クリプトコイン協会の「暗号通貨認定アドバイザー」資格を取得。仮想通貨投資活動:現物保有・デリバティブ取引・DeFi運用・エアドロップ活動。好きな銘柄:ビットコイン。著書:海外FXのはじめ方完全ガイド。WEB取材:凄腕FXトレーダーへインタビュ ー!vol.8=TitanFX。趣味:投資全般・SEO・読書
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