暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの調査部門バイナンス・リサーチは28日、週次の市場レポートを公開し、ビットコイン(
BTC)の回復が米国債利回りの上昇という新たな逆風に直面していると分析した。一方で、現物ビットコインETFへの資金流入やテクニカル指標の改善が回復を支えているとし、見通しは建設的だが条件付きとしている。
米10年債利回りが2007年以来の水準に
レポートによると、金利の織り込みの多くは米連邦公開市場委員会(FOMC)の前に進んだ。2年債利回りは9月8〜11日に0.24ポイント上昇し、ビットコインは15日に9月の安値となる7万5,613ドル(約1,183万円)を付けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)が0.25%の利上げを決めた後は、2年債利回りが0.09ポイント上昇した一方、10年債利回りは0.04ポイント低下した。同部門はこれをインフレ見通しへの信頼の高まりと受け止めており、ビットコインは21日までに8万6,000ドル(約1,345万円)まで回復した。この水準は約8か月ぶりの高値だった。
しかし、その後は再び金利上昇の圧力が強まった。23日には北海ブレント原油が1バレル103ドルを超えた。購買担当者景気指数(PMI)も62か月ぶりの高水準となった。5年債入札が不調に終わったこともあり、10月の追加利上げの確率は約70%まで上昇し、10年債利回りは2007年以来の高水準となる5.17%を付けた。ビットコインは8万4,000ドル(約1,314万円)付近まで押し戻されている。
ETFへの資金流入は年初来でプラスに
金利が上昇するなかでも、現物ビットコインETFへの需要は底堅い。2026年の大半は資金の純流出が続いていたが、7月に底を打って以降は回復している。主な推移は以下のとおりだ。
| 日付 | 現物ビットコインETFの資金動向 |
|---|---|
| 7月13日 | 年初来の累計純流出が56億9,000万ドル(約8,901億円)で底入れ |
| 9月21日 | 1日で9億9,900万ドル(約1,563億円)が純流入。年初来で最大、2025年10月6日以来の規模で、年初来の累計はほぼ差し引きゼロに |
| 9月25日 | 10年債利回りが5.17%を付けた日も純流入を維持 |
その後も流入が続き、年初来の累計は純流入に転じた。同部門は、現物市場の需要が戻っていることを示しており、今回の上昇が先物のポジションだけで動いているわけではないとしている。バイナンスのリチャード・テン最高経営責任者(CEO)も、X上でこのレポートを取り上げ、マクロ環境は厳しいものの投資家の需要には改善の兆しがあるとの見方を示した。
50週線を45週ぶりに回復
テクニカル面では、ビットコインは9月20日の週足終値が8万1,159ドル(約1,270万円)となり、2025年11月9日以来、45週ぶりに50週移動平均線を上回って引けた。同部門は、今後の押し目でもこの水準を維持できるかが次の試金石になるとしている。
これに先立つ9月8日には、50日移動平均線が200日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが発生した。50日線は、それまでの1年間のうち293日にわたって200日線を下回っていた。
レポートが示した過去12回の事例では、50日線が200日線を150日以上下回った後のゴールデンクロスの後、1年以内の最大上昇率は約100〜600%だった。ただし同部門は、これは期間中の最大上昇率で12か月保有した場合のリターンではなく、サンプルが少なく重なりもあるため予測力は限られると注意を促している。
今後については、物価と雇用の統計が回復の持続性を試すとした。コア個人消費支出(PCE)物価指数が予想を下回れば金利の圧力が和らぐ一方、インフレが予想を上回れば追加利上げの見方が強まるとしている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.43円)
