レイヤー2アービトラム(Arbitrum)、トランザクション(取引)数がイーサリアムを上回る
イーサリアムのレイヤー2であるアービトラム(Arbitrum)は、21日と22日の1日当たりのトランザクション(取引)数がイーサリアムを上回ったと発表した。
Arbitrum One は史上初めて、イーサリアムよりも多くのトランザクション(取引)を処理しました。
これは、私たちのチームと Arbinauts によって達成された大きなマイルストーンです。
私たちはコミュニティとして長い道のりを歩んできました。
イーサリアムをスケーリングするという私たちの使命は続きます!
アービトラム(Arbitrum)は、Offchain Labsが開発したブロックチェーンだ。DeFi(分散型金融)やブロックチェーンゲーム、NFTなどの人気によってイーサリアムで生じていた取引処理の遅延や手数料高騰などの問題(スケーラビリティ問題)を改善する手段として利用されるレイヤー2プロジェクトの1つでもある。
レイヤー2はプロジェクトにもよるが、取引記録をイーサリアムに送ることでセキュリティは維持し、レイヤー2を使って取引を行うことで処理速度を高速にし、かつ取引手数料も低くするという改善をおこなっている。
実際のトランザクション数を確認すると、アービトラム(Arbitrum)は21日に110万件、22日は109万件であり、イーサリアムの108万件の記録を超えていた。アービトラム(Arbitrum)は、昨年の同日には10万件であったことを考えると約10倍までトランザクション数が増えていることになる。
イーサリアムのレイヤー2には、アービトラム(Arbitrum)を含め次のようなプロジェクトがある。

イーサリアムのレイヤー2全体と比較すると、マーケットシェアはアービトラム(Arbitrum)が53%を占めておりTVLは33億ドルとトップ。TVLはあくまで指標に過ぎないが、DeFiプロジェクトを見るときの重要な判断材料の1つだ。
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロジェクトに預けられている暗号資産の総額を示す指標である。DeFiプロジェクトが機能するためには、利用者からの流動性プール、つまり預かり資産が必要であり、TVLが多ければ自由な取引ができサービス利用しやすくなる。
また23日には、米大手暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)が同じイーサリアムのレイヤー2として「Base」のテストネットを発表した。今後ともレイヤー2の動向には感心が寄せられる。
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