非上場の日本ビットコイン産業は28日、総額8億4万3,580円の第三者割当増資を実施すると発表した。出資は全額を暗号資産(仮想通貨)ビットコイン
BTCの現物出資で受け入れる。割当先はフルグル合同会社と、東証スタンダード上場のANAPホールディングス(3189)の子会社ANAPライトニングキャピタル(ALC)の2社で、給付予定日は11月2日だ。
ANAPの開示で判明、子会社の引受は7億9,864万円で議決権19.96%
ANAPも28日、ALCが22日に日本ビットコイン産業と株式引受契約と業務提携基本契約を結んだと開示した。日本ビットコイン産業の発表には割当先ごとの金額がないが、ANAPの開示にはALCの引受条件が記載されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 引受株式数 | 普通株式26万8,000株 |
| 払込金額 | 1株2,980円(総額7億9,864万円) |
| 払込方法 | ビットコインによる現物出資 |
| 増資後の発行済株式総数 | 134万2,353株 |
| ALCの議決権所有割合 | 19.96%(増資後) |
| 払込期日 | 11月2日(予定) |
ALCの分は調達総額の約99.8%を占める。日本ビットコイン産業が公表した調達総額とALCの引受総額の差は140万3,580円で、計算上はこれがフルグルの引受分になる。フルグルの株数と単価は非公表だ。
ALCが出すビットコインの数量は30日を基準日とする基準価格で確定し、払込期日の価格変動による調整はない。
1株2,980円は、赤坂国際会計が割引キャッシュフロー(DCF)法で算定した株式価値を踏まえ、ALCと日本ビットコイン産業が協議して決めた。
資本業務提携の実行は、日本ビットコイン産業が29日に開催予定の臨時株主総会で、この増資が承認されることが条件だ。
ANAPの開示によると、開示時点でANAPと日本ビットコイン産業の間に資本関係、人的関係、取引関係はない。ANAPは、日本ビットコイン産業の大株主と最近3年間の経営成績・財政状態について、日本ビットコイン産業の同意が得られず、投資者への影響も限定的だとして記載を省いた。
ビットコイン保有で国内上場4位のANAP、子会社のビットコインをライトニング決済の流動性に
JinaCoinの企業別データの29日12時9分(日本時間)時点の表示では、ANAPの保有量は1,431.97 BTCと、国内上場企業のBTC保有ランキングで4位だった。mNAV(保有ビットコインの評価額に対する時価総額の倍率)は0.14倍となっている。
業務提携では、ALCが保有するビットコインを、日本ビットコイン産業が運営するライトニングネットワークのノードに流動性として提供する。ライトニングネットワークは、ビットコインの少額で即時の送金や決済に使われる技術だ。
ANAPによると、送金や決済は運営者があらかじめビットコインを預け入れたチャネルを経由し、流動性の提供者は利用量に応じて手数料収入を得られる。
ALCは日本ビットコイン産業と共同で、ライトニングサービスプロバイダー(LSP)としての取り組みを始める。ANAPは、国内コンテンツサービスの国境を越えた決済を皮切りに利用を広げるとしている。
日本ビットコイン産業は決済インフラ開発などに充当、フルグル代表はANAP社長が兼務
日本ビットコイン産業は2024年11月の設立。ANAPによると、ライトニング決済専用のECサイトUseBitcoin(ユーズビットコイン)などの運営を通じて実績を積み、法人向けの決済システムauroraを開発している。
日本ビットコイン産業によると、調達資金は決済インフラの開発、人材採用、ルーティング事業、研究開発に充てる。
もう一方の割当先のフルグル合同会社は、ビットコインとライトニングネットワークの分野に投資する米ベンチャーキャピタルFulgur Venturesの日本拠点だ。ANAPの開示は、フルグルの出資には触れていない。
フルグルの代表社員(CEO)の川合林太郎氏は、フルグルが今後の資金調達でもリードインベスターとして支援を続けるとコメントした。
ANAPの有価証券報告書(2025年12月提出)によると、川合氏は2025年7月からANAPの代表取締役社長を務める。同報告書の略歴には、2021年6月からフルグル合同会社の職務執行者(代表)を務めていると記載されている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.75円)
