SBIホールディングス(8473)とシンガポールのStartale Group(スターテイル)は27日、米資産運用大手のブラックロック(BLK)と、トークン化したマネー・マーケット・ファンド(MMF)と円建てステーブルコインJPYSC
jpyscの連携に向けた基本合意書を結んだと発表した。各社は、技術・インフラ、事業・販売、規制・市場整備の3つの領域で、トークン化MMFとJPYSCを連携させられるかを検討する。
ブラックロックとSBI・スターテイル、トークン化MMFとJPYSCの連携を検討
ブラックロック側で合意書を結んだのは、BlackRock Financial Management(BFM)とブラックロック・ジャパンだ。
発表によると、各社が持ち寄るものは次のとおり。
- ブラックロック:トークン化MMFに関するグローバルな知見とネットワーク
- SBIグループ:SBIグローバルアセットマネジメント(4765)をはじめとする各社の、金融サービスの顧客基盤と規制対応のノウハウ
- スターテイル:オンチェーン金融に関する技術基盤
協業は、国内外の金融機関や事業者を含む幅広い市場参加者に開かれたものだという。各社は、多様なパートナーや関係各所との連携・対話を通じて、市場環境の整備とオンチェーン金融の発展に取り組むとしている。
一方で、発表は連携の対象となるトークン化MMFの名称や、JPYSCとの具体的なつなぎ方、開始の時期を示していない。今回の合意は、連携の可能性を検討するための枠組みだ。
SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長は、オンチェーン金融への移行を「もはや避けられない時代の流れ」と述べた。JPYSCの発行やグループ各社によるオンチェーン領域の新商品・サービスの開発といったこれまでの取り組みを、ブラックロックとの提携で一層加速させる考えだ。
BFMのマネージングディレクター、ジョナサン・スティール氏は、トークン化とデジタル市場インフラが市場へのアクセス拡大や効率性の向上、グローバル資本市場の発展にどう貢献できるかを、SBIグループやスターテイルとともに検討していくとコメントした。
ブラックロック自身は2024年3月、パブリックチェーンで発行する同社初のトークン化ファンドBUIDL
blackrock-usd-institutional-digital-liquidity-fundを始めている。当時の発表によると、運用会社はBFMで、イーサリアム
ETH上で発行し、現金や米国短期国債、レポ取引で運用する仕組みだ。対象は適格投資家とされた。今回の発表は、BUIDLには触れていない。
SBIホールディングスとスターテイルは16日、140社超が参加し、米ドル建てステーブルコインOpen USD(OUSD)
open-usdの普及を進めるOpen Standard(オープン・スタンダード)への参画を発表した。参加企業にはブラックロックも含まれる。今回の発表に、オープン・スタンダードへの言及はない。
JPYSCの発行残高は約200億円、SBI VCトレードでは入出庫できず
JPYSCは、SBI新生信託銀行が発行し、暗号資産(仮想通貨)交換業者で電子決済手段等取引業者でもあるSBI VCトレードが流通を担う。6月24日に、各社が国内初とする信託型の円建てステーブルコインとして発行が始まった。
発行体のSBI新生信託銀行のページによると、9月30日時点の発行残高(発行価額)は200億7,066万8,515円だ。JinaCoinがJPYSCで利払いする社債の記事で同ページから引いた6月30日時点の100億829万4,794円と比べると、約2倍になった。
裏付けとなる信託財産は計201億108万8,515円で、内訳は次のとおり。
| 信託財産 | 金額 | 比率 |
|---|---|---|
| 普通預金 | 103億338万8,515円 | 51.26% |
| 定期預金 | 88億円 | 43.78% |
| 日本国債(時価) | 9億9,770万円 | 4.96% |
同ページによると、現在SBI VCトレードではJPYSCの入出庫ができない。
6月24日の発表は、パブリックチェーンでの流通に向けた技術的・実務的な準備が各社で完了していると説明した。そのうえで、関係法令や税務実務上の扱いが整理されしだい、監督当局の確認を前提に、できるだけ速やかに国内外でパブリックチェーン上の流通を可能にする体制へ移ることを目指すとしていた。
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