8月期末の目標1,000BTCに向け、買い増し続く
東証スタンダード上場の「株式会社ANAPホールディングス( 3189 )」は8日、子会社の「株式会社ANAPライトニングキャピタル」を通じて、15.8222BTC(約2億5,000万円)を追加購入したことを発表した。
これにより、同社グループが保有するビットコインの総量は200.4957BTCとなり、累計投資額は約30億円に達した。平均取得単価は1BTCあたり約1,497万円となる。
アパレルから「ビットコイン・ビジネスカンパニー」へ
ANAPホールディングスは、元々若者向けアパレルブランド「ANAP」で知られていたが、2025年に入り、事業構造を大きく転換している。同社は今年4月に持株会社体制へ移行し、アパレル事業を子会社へ承継。同時に、投資事業を担うANAPライトニングキャピタルなどを設立し、事業の多角化を本格化させた。
この変革の中心にあるのが「ビットコイン事業」だ。同社は単なる資産としての保有(トレジャリー戦略)に留まらず、トレーディングや決済、関連テクノロジー開発など、ビットコインを軸とした4つの事業戦略を掲げ、「ビットコイン・ビジネスカンパニー」としての地位確立を目指している。
この戦略を支えるため、同社は積極的な動きを見せている。6月には、国内上場企業として初となるビットコイン現物出資を含む、総額約114億円の第三者割当増資を発表。調達資金の多くをビットコイン関連事業に投じる計画だ。
さらに7月4日には、経営体制の刷新を発表。暗号資産(仮想通貨)交換業のバックオフィス企業で代表取締役社長を務めた経験を持つ川合林太郎氏が、新たに代表取締役社長に就任した。専門知識を持つ経営者をトップに据えることで、ビットコイン事業をさらに加速させる狙いがあると見られる。
執筆時点で、ANAPホールディングスは、ビットコインを保有する国内企業として、現時点ではリミックスポイント(1,051BTC)に次ぐ4位となっている。同社は2025年8月期末までに1,000BTCを保有するという目標を掲げていることから、今後もビットコインの買い増しが続くと予想される。国内においてもビットコイントレジャリー企業への注目が高まる中で、積極的な買い増しを続けているANAPホールディングスの今後の動向を注視しよう。
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