「チョークポイント2.0」終了を明言、仮想通貨業界に明るい兆し
3月8日(日本時間)、ホワイトハウスで仮想通貨業界の未来を議論する「暗号資産(仮想通貨)サミット」が開催された。本サミットにはドナルド・トランプ大統領をはじめ、米国財務長官スコット・ベセントら政府高官、そして仮想通貨業界の最前線で活躍するリーダーが出席し、仮想通貨規制の見直しや米ドルの国際的地位の維持について発言した。
仮想通貨規制の見直しと「チョークポイント2.0作戦」の終了
ドナルド・トランプ大統領は、バイデン前政権時代に行われた、政府が銀行に圧力をかけて仮想通貨関連の企業や起業家の口座を閉鎖させる「チョークポイント2.0作戦」をはじめとする仮想通貨業界に対する規制強化を強く批判した。さらに、「この状況はすぐに終わる。我々は『チョークポイント2.0作戦』を終了させる」と明言し、仮想通貨業界に対する規制の緩和を進める意向を示した。
ステーブルコインの活用でドルの国際的地位を維持
スコット・ベセント財務長官は、米ドルの基軸通貨としての地位を維持するために、政府がステーブルコインを積極的に活用する方針を明らかにした。「トランプ大統領の指示のもと、米ドルを世界の基軸通貨として維持するためにステーブルコインを活用する」と発言し、今後のステーブルコインに関する規制整備に言及した。また、トランプ政権は仮想通貨業界に対する規制を全面的に見直す方針を示した。
さらに、トランプ大統領は議会が包括的なステーブルコイン規制法案を8月の休会前までに提出することを期待し、議会に迅速な法整備を求めた。
バイデン政権のビットコイン売却を批判
トランプ大統領は、バイデン政権が押収したビットコインの一部を市場で売却したことにも言及し、「バイデン政権は愚かにも数十億ドル相当のビットコインを売った」と批判した。
今後は、連邦政府機関が、米国政府が保有している全ての仮想通貨の目録を作成し、ビットコイン準備金とその他の仮想通貨の備蓄を管理するとした。
今後の展望
今回の仮想通貨サミットを通じて、トランプ政権は仮想通貨に対する規制緩和と業界の発展を促進する姿勢を明確にした。特にステーブルコインを活用したドルの国際的地位の維持は、今後の金融政策に大きな影響を与える可能性がある。
米国政府が仮想通貨業界との協調を進めることで、規制環境の明確化や市場の安定化が期待される。しかし、一方で規制の緩和が金融市場のリスク管理にどのような影響を及ぼすかについても慎重に見極める必要がある。今後、政府と議会の動向に注目が集まる。
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