Soneium上でスワップや流動性提供が可能に
分散型取引所(DEX)「Uniswap(ユニスワップ)」を展開する「Uniswap Labs(ユニスワップラボ)」は5日、Ethereum(イーサリアム)のレイヤー2ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」をユニスワップのWebアプリおよびウォレットアプリに統合したと発表した。これにより、ユニスワップユーザーはソニューム上でのトークンスワップや流動性提供、クロスチェーンの資産転送などが可能となる。
ソニュームはソニーグループの関連企業「Sony Block Solutions Labs(Sony BSL)」が開発し、2025年1月にメインネットを公開したパブリックブロックチェーンだ。主に人気アニメのNFT発行やイベントチケットのオンチェーン販売などに活用されており、Web3とエンタメ領域を橋渡しする役割を担っている。テストネットでは1,400万件以上のアクティブウォレット数、4,700万件以上のトランザクションを記録。レイヤー2としての注目度の高さがうかがえる。
ユニスワップラボは公式ブログにて、「メディアの創造と収益化に新たな可能性を開くというソニュームのビジョンは、あらゆる価値の交換を通じて自由な経済を実現するというユニスワップのミッションと共鳴する」とコメント。今後、ソニュームがオンチェーン上に多様な価値を移行させていく中で、ユニスワップが展開する製品がその流れを支える基盤になると強調した。
一方、Sony BSLのチェアマンである渡辺潤氏も、「ユニスワップラボのアクセシビリティとイノベーションへの取り組みは、ソニュームが描くWeb3社会のビジョンと一致する」と述べている。今回のユニスワップとの連携が、ユーザーにとってより直感的かつシームレスなWeb3体験の実現への期待を表明した。
なお、ユニスワップラボは2025年1月、新たなプロトコルである「Uniswap V4」をリリースしている。5月3日には、累計取引量が早くも130億ドル(約1兆8,600億円)を突破したと公式Xで報告。市場で独自の強みを持つDEXが乱立する中、ユニスワップは依然として暗号資産(仮想通貨)投資家から求められるプラットフォームとなっている。
オンチェーン分析ツール「Dune(デューン)」のデータによると、6日時点でのUniswap V4全体の取引量は4億8,700万ドル(約697億円)に達しており、その取引量の大部分はユニスワップが展開するレイヤー2であるUnichain(ユニチェーン)とイーサリアムが占めている状況だ。今後、ソニュームがこの市場シェアに食い込めるかが注目される。

ユニスワップとソニュームの連携は、分散型金融(DeFi)とデジタルコンテンツの融合を加速させる重要な一歩と言える。Web3の未来像がより明確になりつつある中で、両者の連携が生み出す新たな価値創造の動向に注目していきたい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.12円)