ステーブルコイン最大手テザー(USDT)のパオロ・アルドイノCEOは7日、自身のXにて、分散型検索エンジン「Hypersearch(ハイパーサーチ)」を開発中であることを明らかにした。「Engineering at Tether cooking(テザーのエンジニアリングチームが仕込み中)」と投稿し、同プロダクトの概要を示す画像を添付した。
HyperDHTベースの分散型検索エンジン
アルドイノ氏の投稿によると、ハイパーサーチはDHT(分散ハッシュテーブル)を基盤とした分散型検索エンジンである。添付画像には「A decentralized search engine, powered by HyperDHT(HyperDHTを基盤とした分散型検索エンジン)」と記載されている。

HyperDHTは、アルドイノ氏が2022年に共同設立したP2Pプラットフォーム「Holepunch」で使用されている技術である。テザー傘下のP2Pチャットアプリ「Keet」の通信基盤としても採用されており、中央サーバーを介さずにノード間で直接データをやり取りできる仕組みを持つ。ハイパーサーチはこの技術を検索エンジンに応用し、グーグルのような中央集権型の検索サービスに対するオルタナティブを目指すものとみられる。
ただし、現時点ではリリース時期や具体的な機能、対応プラットフォームなどの詳細は公開されていない。
ステーブルコインからAI・P2Pインフラへ領域拡大
テザーはUSDT
USDT発行で年間100億ドル超の利益を上げる一方、その収益を分散型技術への投資に振り向けている。2025年5月にはP2Pネットワーク上でAIエージェントを稼働させる「Tether AI」を発表。同年10月には分散型AI基盤「QVAC(QuantumVerse Automatic Computer)」を公開し、2026年3月にはスマートフォン上でAIモデルの学習を可能にする世界初のBitNet LoRAフレームワークをリリースしている。
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今回のハイパーサーチは、テザーが進める「脱中央集権型インフラ」戦略の新たな一手と位置づけられる。検索エンジンという日常的なツールにP2P技術を適用することで、QVAC・Keet・Tether AIに続くエコシステムの拡張を図る狙いがありそうだ。




