Tether(テザー)経済の定量化、規制当局や利害関係者との関係構築を担当
ステーブルコイン最大手「Tether(テザー)」は15日、世界有数のブロックチェーン分析企業「Chainalysis(チェイナリシス)」の元チーフエコノミストであるフィリップ・グラッドウェル氏を、経済部門責任者に起用したと発表した。
Chainalysis社の元チーフエコノミスト、Philip Gradwell氏がTether社の経済部長に就任
フィリップ氏は、テザー経済の定量化と、テザーの利用方法を規制当局や利害関係者に伝える責務を担う。
発表によると、フィリップ氏は、世界有数のブロックチェーン分析企業「Chainalysis(チェイナリシス)」の元チーフエコノミストとして暗号資産(仮想通貨)のユースケース分析において6年以上の専門知識を有している。
ブロックチェーンの詳細な研究、データサイエンス、製品開発、規制当局との関係構築など、同氏の幅広い経歴は、テザー社のミッションである、将来性のある金融・技術エコシステムに大きく貢献できるユニークな立場にあるという。
フィリップ氏は、「テザーは最も普及しているデジタル資産であり、マネーの未来の中心に位置しています。私はデータの力を使って、テザーのアプリケーションに関する共通の理解を築くことに興奮しています」とプレスリリースで述べた。
テザー社のCEOパオロ・アードイノ氏は、次のように述べ、期待を示した。
「最初のそして最も広く使用されているステーブルコインであるUSDTは、世界中の人々に便利かつ安全に米ドルを届けます。これは米国の金融システムの流動性と安定性を高めるだけでなく、世界金融におけるドルの役割を強化し、ドルの覇権を支えることにもなります。フィリップ氏の専門知識により、テザーはドルを支えるという私たちの不可欠な役割に対する理解をさらに深めることができるでしょう。」
米ドルステーブルコイン市場で圧倒的市場シェアNo.1を誇るテザー社の、2023年1年間の純利益は約63.5億ドル(約9,334億円)にのぼる。
純利益63.5億ドルという数字は、世界トップクラスの企業と肩を並べる金額だ。市場調査会社「Statista」によると、JPモルガンやMeta、エクソンモービルなどの超有名企業を軽々と抜き、世界ランク8位だ。
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