投資家の田端信太郎氏がYouTube企画で「クソ株」と評した企業の取締役が、田端氏の動画に出演するという異例の対談が実現した。その企業とは、ネイルサロン運営とビットコイン投資を行う株式会社コンヴァノ(6574)だ。同社取締役の中山氏は田端氏の指摘を「認知拡大の好機」と捉えて出演。動画内では、同社のビットコイン保有戦略や事業の多角化について、投資家の視点から鋭い質疑応答がなされた。
ネイル事業×ビットコイン運用のシナジーは?アクティビストが問う本質的価値
発端は、田端氏らが昨年末に行った「クソ株オブ・ザ・イヤー2025」という企画である。この中でコンヴァノが候補として挙げられ、田端氏は「ネイルサロンジャパンに社名変更した方がいい」などと発言していた。これに対しコンヴァノ側は、番組に取り上げられたことを「認知の機会」と前向きに捉え、自らコンタクトを取り今回の対談に至ったという。
同社はコロナ禍のリスクヘッジとして、コンサルティングや投資事業を開始したという。中山氏は、ビットコインを単なる長期保有だけでなく、オプション取引によるプレミアム収入で利益を得ている点を強調。ビットコイン投資はあくまで手段であり、その目的は将来的なM&Aなどで企業規模を拡大するための「資金調達」にあると説明した。
これに対し田端氏は、投資家の視点から疑問を投げかけた。「個人でビットコインを買うのと何が違うのか」と指摘し、株主還元よりもビットコイン購入を優先する姿勢に疑義を呈した。同社の株を買うことは、ビットコインの値上がり益を狙うことなのか、事業成長への投資なのか、その境界が曖昧であると鋭く迫った。
中山氏は、法人としての運用メリットを挙げた。海外取引所への直接アクセスによる低スプレッドや、個人では困難な高度な取引手法が可能であると説明。また、15名規模の分析チームを有していることも明かした。株主還元については、過去の赤字により配当原資が不足していた事情があり、成長投資へ振り向けた側面もあったとした。
現在の保有量は約763 BTC、取得簿価は約130億円に達し、含み損を抱える状態だ。しかし中山氏は、本業で日銭を稼いでいるため、価格下落時に現金化を迫られることはないと説明した。「売らなければ損失ではない」という理屈で、市況が悪化しても耐えうる財務体質であることを強調している。
関連:コンヴァノのビットコイン保有量と株価|mNAV・購入履歴・損益推移【最新】
さらに中山氏は、これらの運用益を元手に「美容コングロマリット」を目指すと主張した。ビットコインはあくまで資金を増やすためのエンジンであり、最終的には集めた資金で新たな事業を開拓していく構想だという。投資家には、暗号資産の変動リスクを超えた先にある、事業多角化の未来に期待してほしいとの意図を滲ませた。
田端氏は最後に、同社の姿勢を「ストーリーが描ききれていない」と総括した。ビットコイン投資で人を惹きつけるのではなく、集めた資金でどのような事業を開拓するのか、その夢を明確に示すべきだと助言した。中山氏もこれを「宿題」として受け入れ、投資家に対して将来のビジョンを分かりやすく伝えていく必要性を認めた。
田端氏が指摘した「ストーリーの欠如」は、多くの暗号資産保有企業に通じる課題だ。ビットコイン保有自体を目的化せず、得られた収益をどの事業領域へ再投資し、どう企業価値を最大化するか。その「出口戦略」の明示こそが、投機的なマネーゲームと、持続可能な経営戦略とを分ける分水嶺になるだろう。
関連:コンヴァノ、最大21,000BTC保有方針を撤回──AI・糸リフト事業急成長で売上20.9%増も営業利益8.3%減
※価格は執筆時点でのレート換算(1 BTC=13,463,124円)




