マイケル・セイラー氏率いる米ビットコイン投資企業ストラテジー(旧マイクロストラテジー、MSTR)は23日、3月16日から22日の期間に1,031 BTCを約7,660万ドル(約121億円)で追加購入したと発表した。さらに同日、資金調達計画の再編により、調達可能額を最大約237億ドル(約3.7兆円)増額すると発表した。
調達の主軸を完全にシフト、配当コスト削減と投資継続の両立を狙う
今回の追加購入には約7,660万ドル(約121億円)が投じられた。資金源には、既存プログラムを通じて売却された普通株約50万株の純収入が充てられている。これにより同社のビットコイン保有総量は76万2,099BTCに達し、時価評価額は約8.4兆円という桁外れの規模に膨れ上がっている。
一方、同日付の別のプレスリリースでは、資金調達枠の抜本的な再編が明らかにされた 。約203億ドル(約3.2兆円)の枠を残していた「旧STRK優先株プログラム」を3月22日付で終了し、普通株とSTRC優先株に各210億ドル(約3.3兆円)、さらにSTRK優先株で21億ドル(約3,332億円)の計441億ドル(約6.9兆円)を新たに設定した。
これにより調達可能総額は従来の約341億ドル(約5.4兆円)から約237億ドル(約3.7兆円)増加し、計約578億ドル(約9.1兆円)へ拡大した。
この再編の背景には、財務上の防衛策があると考えられる。同社は現在、ビットコイン価格の下落により巨額の含み損を抱えている。ビットコイン
BTCは持っているだけでは現金を生まず、収益が苦しい中でSTRKの「年率8%」の固定配当を現金で払い続けることは、同社にとって大きな負担となるリスクがある。
そのため、配当負担のない普通株や、金利を柔軟に調整できるSTRCへと主軸を移したと推測される。今回の再編は、既存株主への希薄化リスクを伴いつつも、高コストな配当支出を避けて投資を継続するための現実的な判断だろう。強気の買い増しの裏で、着々と防御を固める姿勢がうかがえる。
配当負担を避けて普通株等へ依存する方針は、既存株主へのリスク転嫁の側面がある。巨大枠による株式希薄化の懸念とBTC買い増しによる財務変動リスクが進行しており、相場次第では株価への下方圧力が強まるため強い警戒が必要だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.3円、1 BTC=11,316,201円)




