SBIとスターテイル、円建てステーブルコイン共同開発──2026年第2四半期発行、100万円上限なし

shoko-koyama
10 Min Read
スターテイル公式サイトより引用
Highlights
  • SBIホールディングスとStartale Groupが円建てステーブルコインの共同開発でMOU締結、2026年第2四半期発行予定
  • 信託型の3号電子決済手段として発行、送金・滞留の100万円制限を受けずグローバル決済基盤を目指す
  • 新生信託銀行が発行・償還、SBI VCトレードが流通促進、トークン化株式プラットフォームとの連携も視野

SBIホールディングス株式会社(8473)とStartale Group Pte. Ltd.(スターテイル・グループ)は16日、日本の金融規制に準拠した日本円建てステーブルコインの共同開発に向けた基本合意書(MOU)を締結したと発表した。2026年第2四半期(4〜6月)のローンチを目指す。

信託型で100万円上限なし、国際需要に対応

両社が発行するステーブルコインは、信託型の3号電子決済手段として設計される。国内における送金・滞留の100万円制限を受けない仕組みで、クロスボーダー金融取引、エンタープライズグレードの決済、オンチェーン支払いなど、グローバルなデジタル市場での多様なユースケースに対応する。日本の先進的な法定通貨担保型ステーブルコイン規制を活用し、伝統的金融とブロックチェーン技術を橋渡しする基盤を構築する。

スターテイルはスマートコントラクト・API設計、セキュリティ・コンプライアンスシステム構築、エコシステム拡張といった技術開発を主導する。一方、SBIグループは規制・コンプライアンス対応を主導し、ステーブルコインの流通促進と機関投資家・企業への導入支援を担う。

具体的な体制として、新生信託銀行株式会社(SBI新生銀行の100%子会社)がステーブルコインの発行・償還を担当し、SBI VCトレードが電子決済手段等取引業者としてステーブルコインの流通を促進する。SBIグループ各社が法人を含む投資家による導入を支援し、次世代金融の実装を後押しする。

今回のステーブルコイン発行は、両社が以前から進めているトークン化株式およびオンチェーン金融インフラの取り組みを拡張するものだ。規制された環境下で、高速かつグローバルにアクセス可能な日本円決済機能を提供し、安全性・透明性・相互運用性を備えたデジタル円エコシステムを構築する。これにより、トークン化された資産(RWA)の取引基盤が強化され、より包括的な金融システムの実現が期待される。

SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役会長兼社長は、「『トークンエコノミー』への移行は、もはや不可逆な社会的潮流だ。スターテイルグループと共同で円建てステーブルコインを発行し、国内外で流通させることで、既存金融と融合したデジタル金融の提供に向けた動きを飛躍的に加速させたい」とコメントした。

スターテイルの渡辺創太CEOは、「円建てステーブルコインは日常生活の決済だけにとどまらず、世界がオンチェーン化する中で中核的な役割を果たす。特に、近い将来実現するAIエージェント間の決済やトークン化された資産の分配金への応用に大きく注目している。日本をオンチェーン革命の中心地にするべく全力を尽くす」と述べた。

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仮想通貨歴5年。ニュース記者歴3年。常に仮想通貨ニュースを追う。情報ソースを追究し正しい情報をわかりやすく伝えることに努めている。仮想通貨は下落するたび買い増すタイプで、主にステーキングで資産運用中。
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