シンガポールのStartale Group傘下のスターテイルジャパンは6日、円建てステーブルコイン「JPYSC」で利息と償還金を支払う個人投資家向けのデジタル社債「株式会社Startale Japan 第1回保証付デジタル社債」の募集を始めた。Startale GroupはJPYSCをSBIグループと共同開発した企業で、スターテイルジャパンはその100%子会社。年利率は5.00%(固定・税引前)、年限は1年で、1口10万円から申し込める。
スターテイルジャパンの社債、JPYSCで利払いと償還
同社によると、日本円建ての信託型ステーブルコインで利払いと償還を行うデジタル社債は日本初(9月30日時点の同社調べ)。利率は「国内の個人投資家向け自己募集型デジタル社債として過去最高水準」としている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行体 | スターテイルジャパン |
| 保証会社 | Startale Group Pte. Ltd.(シンガポール) |
| 募集金額 | 9,990万円 |
| 利率・年限 | 年5.00%(固定・税引前)、1年 |
| 募集期間 | 10月6日〜11月10日 |
| 発行日 | 12月1日 |
| 利払日 | 2027年6月1日、2027年12月1日 |
| 償還日 | 2027年12月1日 |
証券会社を通さず、発行体が自ら募集する自己募集の形をとる。発行と管理にはオーナーシップの「OwnerShip Bond」を使い、利息と償還金はスターテイルグループのウォレット「Startale App」でJPYSCとして受け取る。
商品企画は、博報堂とスターテイルグループの合弁会社である博報堂キースリーが支援した。
資金使途は、JPYSCの活用と普及に向けたシステム開発、事業開発・マーケティングなど。スターテイルグループの渡辺創太CEOは、今回の社債をJPYSCを利払いと償還に使う「実証実験」と位置づけている。
1口10万円の場合、利息は年5,000円(税引前)になる。
JPYSC、現在はSBI VCトレードの口座外へ出庫できず
JPYSCは、SBI新生信託銀行が発行し、SBI VCトレードが流通を担う。6月24日に、SBI VCトレードの口座内に限って先行提供が始まった。
SBIグループなどの同日の発表によると、外部のウォレットへの移転(出庫)はできず、関係法令や税務実務が整理されしだい、パブリックチェーン上での流通に移るとしている。発行体のSBI新生信託銀行のページでも、現在SBI VCトレードではJPYSCの入出庫はできないとしている。
今回の社債に関する3社の発表は、スターテイルアプリでJPYSCを受け取る仕組みや、受け取ったJPYSCを円に換える手順には触れていない。
SBI新生信託銀行のページによると、JPYSCを円に換える方法は2つある。
| 方法 | 主な条件 |
|---|---|
| SBI VCトレードによる買い取り | 同社でのJPYSCアカウントの開設、振込先口座の登録が必要。申し込み時にウォレットアドレスと数量を伝える。JPYSCを移すガス代と振込手数料は利用者が負担 |
| SBI新生信託銀行への直接償還 | 償還手数料は1件3,000円(税別)。JPYSCを移すガス代と振込手数料は利用者が負担。1円相当額未満の端数を含む請求はできない |
同行のページに載っている発行残高は、6月30日19時時点で100億829万4,794円だ。
9,990万円は届出書が不要な範囲、改正金商法で基準は5億円に
募集金額の9,990万円は、有価証券届出書の提出が必要になる1億円を下回る。財務局の説明では、有価証券報告書を提出していない会社の募集の場合、総額1億円以上で有価証券届出書、1,000万円超1億円未満で有価証券通知書の提出が必要になる。
7月に成立した改正金融商品取引法では、有価証券届出書の提出免除の基準を1億円から5億円に引き上げる。この規定の施行日は2027年4月1日だ。
8月に募集したトヨタファイナンスの自己募集型のセキュリティトークン社債「TOYOTA Wallet つむぐボンド」は、社債総額が10億円で、東海財務局長に発行登録追補書類を提出していた。



