SBIホールディングス(SBIHD)とシンガポールのスターテイル・グループ(Startale Group)は16日、米ドル建てステーブルコイン「OUSD(Open USD)」(
open-usd)の普及を進める企業連合「Open Standard(オープン・スタンダード)」に参加したと発表した。両社は、SBI新生信託銀行が発行する円建てステーブルコイン「JPYSC」とOUSDの相互運用に向けた試験(パイロット)を検討する。円とドルの決済をオンチェーンでリアルタイムにつなぐ第一歩と位置づけている。
オープン・スタンダードのOUSDとJPYSC、円ドル決済の相互運用を検討
OUSDは、オープン・スタンダードが手がける米ドル建てのステーブルコインだ。同社は2026年に設立され、創設パートナーにはコインベース、マスターカード、ショッピファイ、ストライプ、ビザが名を連ねる。
発表によると、オープン・スタンダードは6月に企業連合として始動し、参加企業は140社を超える。ブラックロックなども加わり、OUSDをオンチェーン経済の共通の決済基盤にすることを目指している。発表は、米国のGENIUS法がステーブルコイン基盤の整備を後押ししたと説明した。
両社は、OUSDがオンチェーンで一般公開されたことを、今回の連携の土台と位置づけた。世界で最も取引量の多い2通貨である円とドルの決済を、より速く効率的にすることを目指すとしている。
ただし発表の注記は、今回の内容は試験の検討に関するものだと明記している。新たな商用サービスの開始や、実際の決済・取引の開始を意味するものではない。
SBIHDの北尾吉孝会長兼社長は、「SBI APACデジタル経済圏」の構築に向け、円建てとドル建てのステーブルコインを自由に交換できる環境が欠かせないと述べた。SBIグループが国内で初めて米ドル建てのUSDC(
USDC)とRLUSD(
RLUSD)を提供したことにも触れた。
スターテイルの渡辺創太CEOは、日本の資産や金融サービスを世界のオンチェーン市場につなげたいとしている。
JPYSCは口座内限定、パブリックチェーンでの流通は法令・税務の整理待ち
JPYSCは6月24日に信託型(3号電子決済手段)の円建てステーブルコインとして発行された。1回あたりの発行額に上限がない点が、100万円の上限がある資金移動業型のJPYCとの違いだ。
一方で、JPYSCは現在、SBI VCトレードの口座内でしか使えず、同社は入出庫に対応していない。パブリックブロックチェーンで流通させるための法令・税務実務上の扱いが整理され次第、監督当局の確認を前提に、国内外での流通に移る方針だ。
今回の発表は、試験の時期や、JPYSCの外部流通との関係には触れていない。
口座内での用途は、発行後に段階的に広がってきた。JinaCoinの既存記事で確認できる主な動きは次のとおり。
| 時期 | JPYSCに関する動き |
|---|---|
| 6月24日 | SBI新生信託銀行が発行開始、流通はSBI VCトレードの口座内に限定 |
| 7月 | JPYSCの貸し出しサービス(年率3%)を開始。トークン化証券の決済・分配の概念実証も公表 |
| 9月2日 | SBI VCトレードがステーキング報酬のJPYSC受け取りに対応 |
| 10月6日 | スターテイルジャパンがJPYSCで利払いする社債の募集を開始 |
| 10月16日 | OUSDとの相互運用の試験を検討すると発表 |
両社は今後、適用される規制の枠組みの中で、オープン・スタンダードの参加企業との連携を深めるとしている。
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