世界最大の予測市場プラットフォームPolymarket(ポリマーケット)は19日、ニュースレター配信サービスSubstack(サブスタック)との独占的パートナーシップを発表した。サブスタック共同創業者のクリス・ベスト氏は同日、予測市場データを記事に直接統合できる新機能を発表し、ジャーナリストが選挙予測、AI開発動向、経済政策などのリアルタイム確率データを執筆中に引用できるようになったと明らかにした。
Notes対応で短文投稿にも予測データ埋め込み
新機能は3つの主要アップデートで構成される。まず、これまで長文記事のみだったポリマーケット埋め込みが、サブスタックの短文投稿機能「Notes(ノーツ)」でも利用可能になった。著者はニュースへの即座の反応や議論を投稿する際、自動更新されるリアルタイムオッズを引用できる。
英国政治アナリストのコンスタンティン・キシン氏は、キア・スターマー首相の退任時期に関する市場予測をノーツで引用。テクノロジーアナリストのアジーム・アザール氏は、アンソロピックの研究進展がAIモデル性能に関する市場センチメントをどう動かしたかをポリマーケット埋め込みで解説した。
第二に、投稿エディタやノーツコンポーザーから直接ポリマーケットデータを検索できるようになり、新しいタブを開いてリンクをコピーする手間が不要になった。検索、選択、埋め込みが一連の流れで完結する。
第三に、埋め込みの視覚フォーマットが質問形式に応じて自動調整される。Yes/No質問はシンプルなパーセンテージ表示、複数選択肢の質問は候補ランキング形式で表示される。例えば「2027年までに米国が宇宙人の存在を確認するか」という質問は単純なパーセンテージで表示され、「2028年民主党大統領候補は誰か」という質問は複数候補のランキング形式で表示される。
サブスタックは2024年にポリマーケット埋め込み機能を導入済みで、外部リンク貼り付けという追加手順が必要だったにもかかわらず、収益上位250出版物の5分の1が既に使用を開始していた。今回の新機能により、さらに多くのクリエイターが予測市場データを活用すると期待される。
ポリマーケットは「ジャーナリズムはライブ市場に支えられる時により良くなる」とコメント。クリス・ベスト氏は「予測市場は未来の出来事に関するリアルタイム推定値を集約する新興技術だ。株式市場が企業の価値を反映するのに対し、ポリマーケットは選挙、経済動向、科学的ブレークスルーなど未来の出来事の発生確率を反映する」と説明した。
Dome買収で開発者向けインフラを強化
ポリマーケットは翌20日、開発者向けAPIサービスを提供するDome(ドーム)を買収したと発表した。ドーム側は「スピード、信頼性、開発者体験への我々の注力を世界最大の予測市場に持ち込めることに興奮している」と述べた。
ポリマーケットは「予測市場で最高の開発者体験を創造することに尽力している。世界クラスの体験を構築するには世界クラスの才能が必要だ」とコメントし、ドームチームの参加を歓迎した。
今回の買収は、外部開発者がポリマーケットのデータやインフラを活用しやすくするための施策とみられる。予測市場データを活用したアプリケーション、分析ツール、ボット開発などが促進され、APIの速度と信頼性が向上する可能性がある。
ポリマーケットは近年、取引高と認知度を急速に拡大している。特に2024年の米大統領選では、従来の世論調査よりも正確にトランプ前大統領の勝利を予測したとして注目を集めた。一方で、予測市場の法的位置づけは国や地域によって異なり、米国では規制当局との関係が課題となっている。ポリマーケットは2022年に米商品先物取引委員会(CFTC)と和解し、140万ドルの罰金を支払った経緯がある。
今回の一連の発表は、ポリマーケットがジャーナリストと開発者の両面からユーザー基盤を拡大し、予測市場の社会的認知度向上を狙う戦略を示している。
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