ステーブルコイン発行企業「パクソス」、アービトラムとの統合を発表

PaxosがArbitrumと連携し、トークン化プラットフォームを拡大
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パクソス、アービトラムにトークン化サービスを統合し、実世界資産のオンチェーン化を促進

イーサリアムレイヤー2「Arbitrum(アービトラム)」の開発をおこなう「The Arbitrum Foundation」は10日、ステーブルコイン発行企業「Paxos(パクソス)」とアービトラムが統合すると発表した。パクソスはアービトラムの高速かつ低コストなインフラストラクチャを活用し、企業向けにデジタル資産のトークン化を進める予定だ。

アービトラムは、パクソスが統合する初のレイヤー2ネットワークであり、パクソスがイーサリアムエコシステム内でのプレゼンスを拡大する重要な一歩となる。アービトラムは、2021年の開始以来、分散型金融(DeFi)において最も堅牢なエコシステムの一つに急速に成長しており、52万を超えるアクティブアドレスと約700のDeFiアプリケーションを有している。

今回の統合により、パクソスはアービトラムのエコシステムにアクセスできるようになるだけでなく、イーサリアムエコシステム内でのリーチを拡大し、個人投資家と機関投資家の両方にとってデジタル資産の利用しやすさを高めることができる。 

今回の統合は下記の点で注目に値する。

  • 機関投資家の参入促進:アービトラムネットワークへのパクソスの参入により、機関投資家のオンチェーン資産採用が加速する。
  • 実物資産のトークン化:パクソスの規制準拠のトークン化プラットフォームとアービトラムの効率的なネットワークの組み合わせにより、より多くの実物資産がブロックチェーン上で取引可能になる。
  • DeFiエコシステムの拡大:パクソスはアービトラムのアクティブなDeFiエコシステムに参加し、新たな金融商品やサービスの開発を促進する。
  • ステーブルコイン採用の加速:パクソスの戦略責任者ウォルター・ヘサート氏は、今後3年間で個人および機関投資家によるステーブルコインの採用が「爆発的に」増加すると予測している。

アービトラムは、イーサリアムのセキュリティを維持しつつ、高速で低コストの取引を実現するオプティミスティック・ロールアップ技術を採用している。2021年8月のメインネットベータ版ローンチ以来、総ロック価値(TVL)でL2セグメントの54%以上を占め、2,000以上のDeFiおよびNFTプロジェクトが稼働している。

アービトラムのオリジナルコントリビューターであるOffchain Labsのフィンテックパートナーシップリーダー、ルーク・シャオ氏は、「アービトラムの高性能ネットワークと堅牢なエコシステムは、パクソスのトークン化プラットフォームにとって理想的な環境を提供する」と述べ、この協力関係がDeFiとArbitrumエコシステム全体に変革的な影響をもたらすことに期待を寄せている。

パクソスは、PayPal、Interactive Brokers、Mastercard、Mercado Libre、Nubankなどの大手企業とパートナーシップを結び、資産のトークン化、カストディ、取引サービスを提供している。また、PayPal USD(PYUSD)、Pax Dollar(USDP)、Pax Gold(PAXG)などの規制準拠のデジタル資産の発行者でもある。

この統合により、パクソスはアービトラムのスケーラビリティと効率性を活用し、より多くの機関投資家や企業に向けてトークン化サービスを展開できるようになる。これは、ブロックチェーン技術の採用を加速させ、従来の金融システムとデジタル資産経済をつなげる重要な一歩だ。

仮想通貨投資家にとって、この展開は実物資産のトークン化やステーブルコインの普及を通じて、新たな投資機会の創出につながる。また、機関投資家の参入が増加することで、仮想通貨市場全体の流動性と安定性が向上する可能性が高い。

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情報ソースPaxos Newsroom

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この記事を書いた人

中井 純、工学博士
AIは30年以上、web3(仮想通貨)は3年以上フォロー。web3x生成AIには早くから注目し、ビジネスチャンスを研究。東大応用物理学科卒業後、ソニー研究所にて、CD、AIなどの研究開発に従事。MITの電子工学博士取得後、外資系社長を歴任。最近はハイテク・スタートアップの資金調達支援を手がけるかたわら、自らweb3x生成AIのライターとして活躍。技術的なことも分かりやすく、ユーザー目線で解説することが得意です。著書2冊。

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