世界各地で「Move族」急増中
ブロックチェーンネットワーク「Movement Network(ムーブメントネットワーク)」は27日、開発者向けメインネットを正式にローンチした。これは、ムーブメントネットワークのローンチ計画における第2フェーズにあたり、一部の開発者が本格的にアプリをデプロイできる段階に突入したことを意味する。
ムーブメントネットワークはMoveプログラミング言語を基盤とし、その技術的な革新性とMeta(旧Facebook)のDiemプロジェクト由来のバックグラウンドによって注目を集めている。高性能ブロックチェーンの構築を狙い、Celestia(セレスティア)を基盤にしたモジュラー型アーキテクチャを採用することで、他のMove系プロジェクトとの差別化を図っている。すでにAptos(アプトス)やSui(スイ)などMove言語を採用するブロックチェーンが台頭しているが、ムーブメントネットワークはDeFi特化のアプローチで独自の存在感を示そうとしている。
ムーブメントネットワークは29日、「Cornucopia(コヌルコピア)」というDeFi流動性供給プログラムも発表した。これは短期のキャンペーンではなく、1年間にわたって複数フェーズに分けて展開される大規模な取り組みだ。ビットコイン(BTC)、ラップドビットコイン(WBTC)、リキッドビットコイン(LBTC)、MOVE(ムーブメントネットワークのネイティブトークン)などの資産をボールトに預け入れ、利息を得ながら流動性を提供できる仕組みである。ユーザーにとっては“ウマァ”な利息を期待でき、ムーブメントネットワークにとっても初期の流動性を確保する好機となる。ただし、資金が集まりすぎれば相場が大きく跳ねるリスクも伴うため、無策に資産を預け続けるのは賢明ではない。
現在稼働している開発者向けメインネットは2月中旬まで継続予定で、その後「Public Mainnet Beta(パブリック・メインネット・ベータ)」が数週間以内(2月中旬ごろまで)に開始される可能性が高い。また、MoveVMの拡張計画も示唆されており、今後の技術的進展によっては短期決済の効率向上やセキュリティ強化といった恩恵が期待できる可能性がある。
コヌルコピアでは、8週間のロックアップ期間中に報酬を受け取ることができるが、その間に市場環境が激変するリスクは常に存在する。勢いに任せたフルベットの末、解除時に相場が大暴落して泣きを見る事例も珍しくない。慎重すぎるほど慎重に構えることが、この業界で生き残る上ではむしろ重要だ。それでもリスクとリターンがほぼ隣り合わせという点が、ブロックチェーン投資の醍醐味ともいえる。
結局のところ、急速に進化する技術が既存の常識を塗り替える可能性にこそ注目すべきだ。ムーブメントネットワークの開発者向けメインネットとコヌルコピアが生み出す流動性の波は、従来の慣習を変え、新しいチャンスを広げる原動力となるだろう。