1億5,000万以上の加盟店で、ステーブルコインが利用可能に
クレジットカードブランド「Mastercard(マスターカード)」とフィンテック企業「MoonPay(ムーンペイ)」は15日、ステーブルコインを活用した決済のグローバル展開に向けて提携を発表した。
この提携により、事業者やフィンテック企業は、ユーザーのステーブルコイン残高と連携したマスターカードブランドのカードを発行できるようになる。ユーザーはこれらのカードを使用して、世界中の1億5,000万以上のマスターカード加盟店で買い物が可能となり、支払い時にはステーブルコインが即座に法定通貨に変換される仕組みだ。
技術面では、ムーンペイが今年3月に買収した「Iron(アイアン)」のAPIインフラを基盤に、マスターカードの信頼性ある決済ネットワークと連携することで、ステーブルコインを活用したスピーディかつ直感的な支払い体験を提供する。この仕組みにより、企業やネオバンクは国際送金や報酬支払いを効率化できるほか、海外旅行中の買い物から企業の越境取引に至るまで、さまざまな場面での活用が期待されている。
ムーンペイは500以上の主要な暗号資産(仮想通貨)プラットフォームと連携しており、1億人超のユーザーにリーチしている。この広範なネットワークに、マスターカードのグローバルな決済網が組み合わさることで、ステーブルコインが世界規模の決済・商取引エコシステムで活用されることが見込まれている。
マスターカードのグローバルパートナーシップ担当スコット・エイブラハムズ氏は、「ステーブルコインの利便性と広がりを引き出すソリューションを通じて、私たちは世界的なお金の流れを再定義し、私たちが知っている決済方法の変革を推進しています」と述べた。
マスターカードによれば、ステーブルコインは現在、全世界で約1億2,000万のウォレットがステーブルコインを保有しており、約2,000万のウォレットが毎月取引を行っている。この数字は、ステーブルコインの需要が着実に広がっていることを示している。
今回のマスターカードとムーンペイの提携は、既存の決済インフラと仮想通貨の融合における大きな一歩といえる。ステーブルコインの普及には信頼性と実用性が鍵となるが、世界的ブランドと連携した今回の枠組みは、それらを担保する有力なモデルとなるだろう。
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