米中央銀行がビットコインと向き合う新局面
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は19日(現地時間18日)、トランプ次期大統領が提案するビットコイン戦略備蓄にFRBが関与する意向はないと明言した。
パウエル議長は、FRBは法的にビットコイン保有が禁じられ、規制の再検討は議会の責務と強調。既存の金融政策を優先し、ビットコインを保有しない姿勢を示した。
これを受け市場は下落し、暗号資産(仮想通貨)に対する金融当局の対応が改めて注目されている。デジタル資産が世界的に議論される中、FRBの態度は安定性と規制順守を重視する現行戦略を示した。パウエル議長の発言は、今後、デジタル資産を巡る政策に影響を与えるとみられる。
時代の転換点を示唆する一言
米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長によるビットコインの「準備政策」への言及は、中央銀行のトップが仮想通貨の存在を看過できなくなったことを示すマイルストーンとして注目される。
かつて「異端」な存在と見られていたビットコインは、いまやヘッジファンドや機関投資家の関心を集め、インフレ対策の一角を担う資産との認識が広がりつつある。
「ドルの威信」を揺るがしかねない直接採用は非現実的
もっとも、FRBが近い将来にビットコインを正式な準備資産として組み入れる可能性は限りなく低いだろう。世界の基軸通貨であるドルの地位を揺るがしかねない動きは、あまりにリスクが大きい。
そのため、今後も、ビットコインの正式採用に踏み切るような明示的発言は想定しがたい。正式採用となれば、連邦準備制度がビットコイン保有を許容するフレームワークの整備など、現行の枠組みを根底から見直さなければならない。
無視できぬ市場認識と制度論議への影響
それでもなお、パウエル議長がこの問題に触れること自体が、ビットコインの存在感がもはや無視できない段階に到達したことを物語る。
市場参加者や他国の中央銀行関係者は、FRBの微妙な反応に敏感に反応し、将来的なデジタル資産戦略を再考する契機となりうる。ビットコインはあやしげな「周縁的存在」から、制度的議論における「メインストリーム」の地位を獲得しつつある。
新たな金融エコシステムの局面へ
たとえFRBがビットコインを公式に保有することは遠い未来の話であっても、パウエル議長の言及はビットコインが「得体の知れない実験」から「黙殺不能な金融プレイヤー」へと成長した歴史的瞬間を示す。
こうした気運が長期的な政策や市場形成に波及し、デジタル資産が国際金融システムの一角に据えられるシナリオが見え始めたことは、投資家や政策当局双方にとって、看過できない新局面といえるだろう。
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