史上初のおとり捜査による摘発劇、仮想通貨業界に激震走る
米連邦捜査局(FBI)が独自の仮想通貨を作成し、市場操作を行う詐欺師たちを摘発するという前代未聞のおとり捜査が行われた。仮想通貨情報アカウント「SolanaFloor」は10日、「FBIが市場操作を摘発するため、独自の仮想通貨『NexFundAI Token』を作成し、ゴットビット、ゼットエムクアント、コインリクイディティ、マイトレードの4社を、見せ玉取引や詐欺行為の罪で起訴した」とXで報じた。
FBIは独自の仮想通貨「NexFundAIトークン」を作成し、市場操作の摘発に乗り出した。起訴状によると、Gotbit、ZMQuant、CoinLiquidity、MyTradeの4社が見せ玉取引と詐欺の罪で起訴された。
仮想通貨メディアの「ユートゥデイ」によると、FBIのおとり捜査は「前例のない」もので、今回の摘発劇は、米国史上初となる仮想通貨市場操作を対象とした刑事訴追であり、仮想通貨業界全体に大きな衝撃を与えた。
今回の摘発劇が仮想通貨業界にもたらした主な影響は以下の通りだ。
- FBIによる仮想通貨市場への介入:これまで規制が曖昧だった仮想通貨市場に対する当局の監視の目が強まることを示している。
- 市場操作の横行: ピーク時に時価総額75億ドル(約1兆1,175億円)に達したサイタマトークンを含む60以上のトークンが市場操作の対象となっていた。これは、仮想通貨市場における市場操作の横行を浮き彫りにした。
- 見せかけの取引(ウォッシュトレーディング)の実態: 複数のウォレットを用いて見せかけの取引を行い、偽の取引量を作り出すことで投資家を欺いていたマーケットメーカーの存在が明らかになった。
- 厳しい罰則: 摘発された被告は、市場操作と通信詐欺の罪で、最大20年の懲役刑を課せられる可能性がある。
今回の摘発劇では、約37億円以上の仮想通貨が押収され、数億円規模の見せかけの取引に関与した複数の取引ボットが無効化された。複数の被告はすでに有罪を認めているか、有罪を認めることに同意しており、他の被告は米国、英国、ポルトガルで逮捕されている。
この事件は、「オペレーション・トークン・ミラーズ」と名付けられ、急成長するデジタル資産分野における不正行為を取り締まる上で重要な一歩となった。FBIボストン支局のジョディ・コーエン特別捜査官は、「FBIが独自のトークンと会社を作り出すという前例のない手段を講じた」と述べ、この捜査手法の画期的な性質を強調した。
FBIが作成したNexFundAIトークンのスマートコントラクトがイーサリアムブロックチェーン上で発見され、その内容が公開された。このコントラクトは検証済みであり、FBIボストン支局の住所が含まれている。この発見により、FBIの捜査手法の透明性が高まるとともに、法執行機関によるブロックチェーン技術の高度な活用が明らかになった。
しかしながら、仮想通貨専門家「cygaar」は自身のXで、FBIのスマートコントラクトがMITライセンスに違反している可能性を指摘し、法執行機関による技術利用の適切性と倫理性に関する新たな疑問を提起した。この問題は、捜査の正当性や法執行機関のテクノロジー活用のあり方について、更なる検討が必要であることを示唆している。
FBIへ:貴局のスマートコントラクトがMITライセンスに直接違反しており、著作権侵害の対象となっていることに気づいた。
OpenZeppelinのライブラリ(MITライセンスを使用)を明らかにコピー&ペーストしているが、コード自体にライセンスが付与されていない。
MITライセンスは「このパーミッション通知をソフトウェアのすべてのコピーまたは実質的な部分に含めなければならない」と規定しているが、貴局のコントラクトではそれが明らかに守られていない。
この事件は、仮想通貨投資家に対し、デジタル資産への投資におけるデューデリジェンスの重要性を改めて喚起するものとなった。また、法執行機関が新しい技術や市場に適応し、効果的に犯罪と戦う能力を持っていることを示す重要な事例となった。
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情報ソース:SolanaFloorのXアカウント / ユートゥデイ / etherscan上のFBIアドレス / cygaarのXアカウント