ヘイズ氏が称賛「仮想通貨のアメリカン・エキスプレス」
DeFi(分散型金融)関連の暗号資産(仮想通貨)が市場をリードしつつある中、リキッドステーキングプロトコル「Ether.fi(イーサファイ)」が発行するトークン「ETHFI」が注目を集めている。14日、仮想通貨取引所「BitMEX(ビットメックス)」の創業者アーサー・ヘイズ氏がETHFIの価格高騰に対して公式Xで言及。投資家の関心が高まっている。
ETHFIはイーサファイの中枢を担うガバナンストークンであり、トークン保有者はETHFIをステーキングすることでプロトコル運営に関わる意思決定の投票に参加できる。2024年3月には大規模なエアドロップ「シーズン1」が実施され、プロトコルの普及に貢献し、ステーキングなどを行った対象ユーザーに対し、総供給量の6.8%にあたる6,800万ETHFIを配布。この動きはトークンの認知度とコミュニティの拡大に大きく貢献した。
ヘイズ氏がこのETHFIに言及するのは、今回が初めてのことではない。同氏は9日、自身の公式Xで「現在はファンダメンタルズが重視される局面」と指摘。顧客基盤がなく収益性に乏しい仮想通貨を批判したうえで、ETHFIに対しては積極的な買い戻しとバーン(焼却)を強く求めている。
投稿内でヘイズ氏は、ETHFIを「仮想通貨におけるAMEX(アメリカン・エキスプレス)」と称している。AMEXは一般的に成長性の高い企業や株に対して使われる表現であるが、その文脈からも同氏がETHFIのポテンシャルを高く評価していることがうかがえる。14日の投稿でも、ETHFIをAMEXにたとえる表現を再び用いた。
ヘイズ氏が指摘するETHFIの買い戻しに対して、イーサファイは2種類のアプローチを用意している。ひとつはリキッドステーキングトークンである「eETH」の引き出し手数料収入による週次のETHFIの買い戻し。もうひとつはプロトコル収益を原資とした月次のETHFIの買い戻しである。これらの買い戻しで取得されたETHFIは、sETHFI(ステーキングされたETHFI)の保有者に直接配分され、インセンティブ構造の持続性が高まる仕組みとなっている。
イーサファイは8日、4月におけるプロトコル収益が240万ドル(約3億5,000万円)に達したと発表。その一部がETHFIの買い戻しに充てられる見通しが明らかになると、ETHFIの価格は急騰。執筆時点では1.379ドルと前日比ではわずかに0.07%下落しているが、8日時点から執筆現在まで170%以上の上昇を見せている。

ヘイズ氏がAMEXと評したように、ETHFIはDeFi領域の中核を担う資産として今後その地位を確固たるものにしていく可能性が考えられる。トークン発行基盤であるイーサファイのこれからの成長やトークンエコノミクスの進化に対して、仮想通貨市場の注目が今後さらに増していくことが期待されている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.95円)